精神に障害をかかえて地域でくらすには その②

品川ふくしネット研修会に参加して

その①から
 
 最後に『プシケおおた』という社会福祉法人からのお話ききました。プシケおおたはかまた生活支援センターとこうじや生活支援センターを運営しています。今日は理事の小山廣子さん、かまた生活支援センターの職員の山村さん、利用者の方からお話がありました。
生活支援センターは精神に障がいを持つ方が登録をし、いつでも自由に過ごせる場所で、大田区には社会福祉法人が運営する生活支援センターが2箇所あります。
小山さんは大田区の保健師の傍ら20年前からボランティア団体で活動していて、作業所やグループホームにかかわり、フリーマッケットでの資金集めやコンサート実施で地域の理解を得る活動もしてきました。ボランティア団体では補助金をもらって活動することができないので、法人格をとってプシケおおたをスタートしたそうです。小山さんも保健師として働いている時から精神障がい者の福祉政策の遅れを感じていたといいます。
生活支援センターではおもに週数回の夕食サービスと交流室で自由な活動、そして定期的な相談が行われているそうです。利用者は平日作業所で仕事をしながら、週末は生活支援センターを上手に利用しながら、地域で自立した暮らしをしているそうです。
 今日の会では、さまざまな症状の精神の障がいがあっても地域で暮らしていくためのサポートをどうしたらできるかを一緒に考えていこうという参加者の思いを強く感じました。
 品川区では2005年3月に精神障がい者のための通所授産施設と地域生活支援センターを大崎第一地域センター移転後の施設を活用して設置する準備を進めています。運営は新たに設立した社会福祉法人がする予定です。今年の5月には社会福祉法人設立準備会も発足しています。しかしここで問題と思うのは、行政主導で区が関与する形で社会福祉法人を立ち上げるということです。大田区のように区が建物を無償提供し、市民が社会福祉法人を設立して運営を委託するという、市民の活動を行政がサポートして育てていく協働の姿を品川区も目指していくべきではないでしょうか。