中央環状品川線住民説明会

10月14日におこなわれた住民説明会に参加しました。

東京都の品川線担当局、環境アセスメントを担当した首都高速道路公団、品川区都市計画課の職員が大崎第1地域センターに集まりました。少し空席の見られる中夜7時から始まりましたが、終了したときには補助席も出るほどで参加者は100人ほどと伺いました。

 東京の交通網は放射状には整備されつつありますが、環状方向は十分でなく、渋滞緩和も解消されるということで中央環状王子線、新宿線が工事中です。品川線は2001年8月に都市計画素案が出された時に説明会があり、昨年12月に道路の都市計画案と環境影響評価準備書が発表され、品川区、目黒区で5回に分けて住民説明会がおこなわれています。

計画は品川区八潮から目黒区青葉台を結ぶ9,4キロを地下高速道路に、その間の4箇所(中目黒・五反田・南品川・八潮)に地下道の排気ガスを排出する換気塔を建てます。今回問題になっている五反田地域は、土地取得が容易なように公共道路の真ん中に幅7m、長さ25m、高さ45mの巨大な換気塔が建ちます。現場の道路に立つと10年後にそんなものがここに?と想像しただけで、間違いでしょうと感じます。設計者は実際にこの場に立ったことがあるのでしょうか!!

景観上の問題ともうひとつ重要なのは環境被害の問題です。東京都が発表している報告ではこの地域には喘息患者や大気汚染公害認定者がたくさんいるという現状です。桜田通りと山手通りが交差し、上を首都高速2号線が走り劣悪な環境ポイントであることは明らかで、さらに換気塔から吹き上げられた排気ガスが上空を浮遊するということになるのです。会場の質疑には、根本的に道路の必要性に納得できない。換気塔ありきの計画の説明しかない。換気塔をつくらないで道路を通すということを考えたことがあるのか。未処理の排気ガスを吹き上げるのではなく、無害化して換気するという方法はないのか。などさまざまな意見が出されていました。

品川区都市計画審議会に私は委員として出席しています。
環境影響評価準備書で道路完成時(2014年)の走行車数の算定根拠があいまい、道路ができれば車の台数は必ず増加し、環境に影響がないという説明には納得できない、未だ都議会にこの道路計画を撤回してほしいという住民の請願が出ている状態では、住民の理解が得られているとは到底思えないと判断し、私はこの審議会で品川線の案件に反対しました。結果は反対少数で審議会では住民の理解を得るという付帯決議をつけて通りました。

 住民説明会を聞く限りでは、何回開いても、計画の見直しを検討するという考えがあるのか疑問の残るものでした。アリバイ作りとして開く会は意味がありません。車は一瞬のうちに通り過ぎますが、住んでいる人はずっとその影響を受けるのです。
品川線だけの問題ではなく、車社会に頼ることが人類に及ぼす影響をすべての人が当事者として考えていく必要があります。