プール吸排水口の事故を繰り返さないために

繰り返される事故を防ぐ小児科学会の緊急シンポジウム

  先日、小児科医の方から小児科学会が開くシンポジウムの案内をいただきました。(詳しくは『お知らせ』をご覧ください)

 今年7月31日、埼玉県ふじみ野市の市営プールで泳いでいた小学2年生の女児が流水プールの吸水口に吸い込まれ、死亡するという痛ましい事故が起りました。この事故により自治体の管理委託の問題、プールの構造に対する安全対策の軽視、国、自治体、教育委員会の管理体制の問題が明らかになりました。

 驚くことに1966年以降、今までに60人の子どもがプールの吸排水口にはさまれて亡くなっているというのです。1995年にプール排水口にはさまれて死亡した6年男児の父親の再発防止の陳情で文部省が行った調査で約1/3のプールで排水口が固定されていなかったことがわかり、‘96年には数%のプールを除き整備されたことになっていました。しかし、2004年7月には新潟県の町民プールで同様の事故が起きました。この時、同町教育長は「文部省の通知は学校向けのものと認識してしまった」と言い、町営プールは整備の対象外だったいうのです。

 繰り返される事故は、事故後数週間でプールの話題がメディアから消え、事故の責任者は業務上過失致死容疑で書類送検され、市長や文科省の担当者は「厳重に注意するよう」通知を出すことで一件落着と判断してうやむやになっていきます。二度と事故を繰り返さない防止策を講じてほしいと願う遺族の願いも届かないままに。プール事故に限らずエレベーター、エスカレーターなどの事故に置き換えても同様なことが繰り返されています。

 絶対に事故を繰り返えさせないために今までの対応の問題点を明確にして、確実に予防できる手段を検討していこうというのが標記のシンポジウムの目的です。参加は無料です。
尊い子どもの命をなくさないために、気づいた人が、自分のいる場で、自分にできることを、今はじめようと日本外来小児科学会アドボカシー委員会は呼びかけています。

※アドボカシーの同委員会訳:ある考えや政策を、自分のために うまく言い出せない人たちのために、別の人が声を大にして外部に訴える行為。適切な日本語がなく、「代弁者として、一肌 ぬぐ」と訳している