市民と議員の条例づくり交流会

本当の議会改革

  4月の統一地方選挙は「議会改革」が大きなテーマになった。全国でも「変えなきゃ議会キャンペーン」が展開され、多くの議員が賛同している。品川ネットも議員2人も賛同者となっている。

  9月1日・2日にはキャンペーンに賛同する全国の議員・市民が法政大学市ヶ谷キャンパスに結集してフォーラムが開かれた。第7回を迎えるこのフォーラムは「市民と議員の条例づくり交流会議」といい、当初予定では7月28・29日であったが参議院選挙のため延期になった。

テーマは分権社会において市民に期待される開かれた議会改革。1日目は自治体議会改革フォーラム呼びかけ人代表の広瀬克哉さん(法政大学教授で井上八重子の推薦人でもある)から現行法内でやる気があればすぐ出来る3つの改革を始め、議会改革10の提案がされた。2日目のパネルディスカッションでは三重県議会、三重伊賀市議会、北海道栗山町の議会基本条例施行までの報告、そして午後の分科会は「討論の広場へのアプローチ」「インターネット中継は、議会改革の切り札になるか」「都市計画審議会で都市計画を議論するには?」「自治体議会の常識をぶち壊せ!新人議員研修のウソ」など7分科会もあり、どれも興味を引くものでひとつしか選べずとても残念だった。

  議会改革といえば議員報酬、議員定数、政務調査費のことが取り上げられるが、本当の議会改革は情報や権力が優位の首長と対等に渡り合える議論ができる議会をつくっていくこと。首長と水面下で政策調整をすることが議員の実力と思っている議員が大勢を占めるようでは、議会改革は程遠い。

パネラーの伊賀市議会の安本美栄子議員は、議長選挙に議会改革を公約に当選した。すぐに議長の諮問で議会のあり方検討会を設置、7会派代表による検討会では市民と議会の意見交換会(56会場、83団体、500人の市民が参加)を開催し、「伊賀市議会基本条例」を制定した。安本さんいわく議会改革を進めたいという議長を選ぶこと。議長のリーダーシップで議会は変る!!三重県議会も栗山町議会も異口同音に議長のリーダーシップが鍵と口を揃えた。品川区議長にも議会改革のリーダーシップを求めたい。

  少し話は変るが品川区議長の就任を祝う会から品川・生活者ネットワーク幹事長宛に案内が届いた。裏の差出人代表が自民党国会議員と品川区長の名が連名になっていた。えっ?と違和感があった。首長と議員は選挙によって区民から選ばれる。区長は区民から税金を預かって区民の福祉向上のために事業を行う責任者であり、一方議員はその事業が区民の生活向上に役立っているか評価・改善を求める側となり、その団体の長が議長である。首長と議会は区民の福祉向上を目指すという立場では一致するが、二元代表制の元では区長と議長の関係は本来対極にあるべきものだと私は思う。