安心の住まいグループハウス尼崎

運動グループの福祉ツアーに参加しました

  11月11日から3日間阪神淡路復興の10年後というテーマで、市民の力を活かしたまちづくりを視察しました。この中でグループハウス尼崎の報告をします。
  
 阪神淡路大震災のあと被災高齢者と障がい者向けには「ケア付き仮設住宅」が建てられました。グループハウス尼崎は1998年10月に『三反田ケア付き住宅』を引き継ぐ形で現在の地に市営住宅という位置づけで開設されました。土地は尼崎市が提供し運営は社会法人阪神共同福祉会に業務委託されており、入居要件は要介護1以上で自立生活ができる人で今では震災を経験している方は2人だけで被災者という条件はなくなり生活保護者の方も入居しています。
建物は平屋建てで18戸の個室(和室6畳、洗面所、トイレ、流し台)があり、共有部分としてLDK、浴室が2つ、トイレ、洗濯室、生活援助員室などがあります。24時間体制でライフサポートアドバイザーとヘルパーが常勤スタッフとして勤務しています。施設長の園田園園長の中村さんは特養とは違うので『冷たくはなして、見守ります』をモットーにしていると胸を張っておられました。各自、デイサービスに行ったり、友だちと会うなど自由に生活をし、食事も自分で買いに行ったり、作る方、介護保険のヘルパーに頼む方などいろいろ。地域との交流として週1回「さくら喫茶」や月2回売店など開いています。市財政が厳しく、地域交流のデッキエリア※の改修もしてもらえないのが悩みといいます。

建物の設計が平屋で天井からの採光もされているので、とても明るい感じです。法人が運営を受託していますが、住人各自のヘルパーが出入りしているので、風通しがよく、問題が見えやすいというメリットがありあます。
品川区でも低所得者層には特別養護老人ホームを求める声が多いですが、個室型のケア付きハウス(費用は15~16万円)が主流です。しかし自宅か施設かという二者択一の選択ではなく、ここのような家賃の安いケア付き公営住宅を作ることが安心の住まい作りにつながるのではないかと思いました。何より特養のように自分の自由がない、その他大勢の暮らしではなく、一人一人の人格が尊重される住まい方を求めていく時代ではないかと思いました。(井上八重子)

【写真左】天井からの自然採光で明るい平屋の建物
【写真右】地域交流が広がるウッドデッキ。財政難で改修の交渉は難航中。

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