議員年金は優遇されすぎています

地方議員年金制度は受給者が会員数を上回り、議員年金の収支が悪化し、市議会議員共済会(特別区の区議会議員も含む)の積立金は2011年度、都道府県議会議員共済会は2021年度に積立金の枯渇が見込まれます。そのため今年の6月にこの制度を廃止することになりました。1月25日、総務省から廃止にあたっての考え方が示されました。

2011年6月1日に現職で在職12年以上の議員は掛金総額の80%を一時金で受け取るか、従前の年金給付か選ぶことができます。12年未満は掛金総額の80%の一時金給付です。現在退職年金を受給している人や遺族年金を受け取っている人は今までどおりです。一方給付に必要な財源ですが、毎年度、各地方自治体が現職議員の報酬に応じて公費で負担することになります。公費負担割合は減少しますが、給付を受ける人がいる限り、税金を投入し続けます。

お手盛りで年金制度を操っている。
全国市議会議長会(特別区も含む)は総務省案の掛金総額の給付60%を80%に引き上げさせ、高額所得者の支給停止措置の上限額を600万円から700万円に引き上げる要望を出しています。また国が自治体合併を主導して、結果議員数が激減したのだから、足りなくなった給付金の面倒は国が税金を支出せよと働きかけていると聞きます。市民感覚では信じられないことです。こういった要望が直接自治体の財源不足に跳ね返ってきます。

品川区に置き換えて計算すると現行では、議員の掛金は標準報酬月額61万円×16%で月額約10万円。公費として充てる給付負担金は61万×16.5%×40人で年間4800万円ぐらいです。
廃止後の6月からは議員の掛金はなくなります。一方、公費負担は4月5月の2ヶ月は負担割合が16.5%ですが、6月からの10ヶ月は103%となります。
2011年度予算に議員年金の公費負担として計上された金額は2億1千万円です。

生活者ネットワークは議員特権の廃止を政策にしています。ですから議員特権である議員年金の廃止は以前から総務省に要望書を出して働きかけてきました。また昨年10月29日には地方議員年金廃止院内集会(国会参議院会館)を開催しました。議員年金は他の年金とダブル受給でき、議員在職12年で支給対象になるなど優遇されています。ちなみに国民年金は25年納めなければ、受給資格はありません。
生活者ネットワークは議員も報酬に応じて寄付をし、市民の政治活動資金として活かしており、議員年金も同様の考え方で活用しています。(井上八重子)