決算特別委員会報告その③

  学校でいじめを受けていた大津市立中学2年の男子生徒が自らの命を絶って丸1年を迎える1011日に父親がその思いを語ったという記事を新聞で読みました。「息子の死を無駄にしない。これ以上いじめで自殺する人が出ない状況を作るしかありません」と結ばれていた。にもかかわらず、同じ紙面上に鳥取県の市立中学3年の男子が同級生から髪を引っ張られる等のいじめで10日の昼休みに学校の教室から飛び降りけが!という記事が目に飛び込んだ。学校側は「悪ふざけ」をやめるよう指導していた・・・・

人の痛みがわかる教育、みんなの違いを認め合う教育が欠落しているとしか思えない。 

品川区は14人のカウンセラーが小学校、中学校を巡回しています。特に中学校では週34日という頻度です。4月に区立小学校4年の女児が自転車事故で亡くなった時にはすぐに同校にスクールカウンセラーを1週間常駐させ、周りの子どもたちへの心のケアに取り組んでいます。当然、自殺した男子生徒の当該中校へは同級生を含めて学校内の生徒の心のケアに取り組んでいるものと、カウンセラーの増員配置を確認しました。しかし2~3人とあいまいな答弁でしたので、委員会後確認すると、何かあったときは配置をすることになっていると一般論を答えたというのです。ならば当該校へはどうなっているのですか?「配置を検討中です」。区教委の対応不足を指摘し、すぐに対応するよう求めました。巡回のカウンセラー、保健センター等の区職の臨床心理士、教育センター内の専門家、動員する人材は品川区にはたくさんいるはずです。

委員会では中学生対象の暴力防止プログラム(CAP)を導入するよう2007年に引き続き改めて要望。検討するという答弁どまりでしたが、学校間を競わせるような競争教育に重きを置く品川区教育委員会とそれを実践せざるを得ない学校現場には必要な施策です。(井上八重子)