中核市として全国初の児童相談所を設置した金沢市を視察

2013年12月25日 17時34分 | カテゴリー: 活動報告

   児童相談所を東京都から区へ移管する検討が進められていることから、20131217日に金沢市の児童相談所を会派で視察しました。
金沢市は、児童福祉法の改正で中核市においても児童相談所の設置が可能となったため2006年全国初で児童相談所を設置した都市です。

  この児童相談所は金沢駅から車で25分ほどの金沢市富樫というところにあり、旧NTT研修施設を当市が買い取り、教育プラザとして活用している一角にあります。
日本一の自相をめざしていると自己紹介された所長の川並利治さんは25年ほど大阪府で福祉の仕事をし、金沢が出身という縁で開設2年目の2008年から所長として活躍されています。 

なぜ金沢市は児童相談所を設置したか?2004年当時の首長が「一番大好き」の首長で、それが一番の理由だったという事でした。ん~~かつて品川区のT区長も同じような事を言われていた事を思い出します。

金沢市の行政組織の中で、児童相談所は福祉局のこども総合相談センターの中に課として位置付けられているので市の予算編成・執行、議会対応など直接対応できることが事業を円滑に進められるメリットになっています。また教育プラザの一角にあるために、年度当初に行われる教員研修などでは、必ず出席をして連携できる体制を心掛けているということでした。教育委員会との壁はどこにでもあるようです。 

センターの事業概要、県からの移管に際した準備やスタッフ体制、移管後の課題などを伺いました。準備には事前に職員が県の児童相談所に研修に行き、開設1年目は経験のある児童相談所の職員を派遣してもらい体制を整えた。市の人口40万人、ここを3つの地域に分け、職員がインテークから最後まで対応できるスキルを身につけている。児童相談所には一時保護所が必要であるという考えから2年後に12人定員の保護所も開設、平均67名が入所している。

保護施設は年齢に合わせた配慮がされており、廊下など広く設計されているので心配される小競り合いも防げている。夜間は3人体制で常時1名が夜間の電話相談に対応できる体制を整えた。相談窓口はたくさんあっていいが、どこに相談しても「最後は一つ」が望ましい。金沢市は「最後は一つ」を担うのが児童相談所で、切れ目のない24時間体制が強みということが分かる。児童相談所が都にあるという限界がここにあるような気がします。 

こども総合相談センターの2013年度の歳出予算は116千万円余でそのうち児童保護措置費が7億円余ということで移管によって一般財源の支出が増えています。相談件数や虐待対応件数が全国同様増加していますが、未然防止に力を入れれば入れるほど件数は掘り起こされますから、数を単純に比較しても意味がないことがわかります。 

川並所長のお話を伺い、児童相談所の区移管には様々な課題があることがわかりました。
地方分権の視点で区が持つ権限を積極的に市民福祉の向上に活かす取り組みができるように提案をしていきたいと思います。(井上八重子)