都議会生活者ネットワークは高校の授業料無償化改定条例に反対しました

2014年3月31日 13時51分 | カテゴリー: 子ども・教育, 議会報告

2014年都議会第1回定例会が3月28日に閉会しました。

都議会生活者ネットワークは「授業料無償化の所得制限を導入する条例改正」「東京都水道事業会計予算」および「東京都給水条例の一部を改正する条例」に反対。
都議会議員小松久子さんが代表で討論を行いました。

以下討論の内容です。
2014年第1回定例会 討論

2014年3月28日
小松 久子 

 都議会生活者ネットワークを代表して、第25号議案、第58号議案、および第104号議案に反対、その他の知事提案のすべての議案に賛成の立場から討論を行います。
●第58号議案「東京都立学校の授業料等徴収条例の一部を改正する条例」
2010年度に導入された高校の授業料を実質無償化する就学支援金支給制度については、親の所得に関係なく等しくすべての子どもの学習の機会を保障するしくみとして、生活者ネットワークは高く評価してきました。しかし、国の方針転換によってこの制度に所得制限が設けられることになり、新制度では、一定程度の所得のある家庭の子どもは無償化から除外されることになります。それはすなわち、教育の機会均等の理念が外され、低所得者への救済政策に変わることを意味しています。子どもの中に分断を持ち込むことであり、貧困状態にある子どもの自尊感情を傷つけるのみならず、格差意識を植えつけることにもなりかねません。

昨年、子どもの貧困対策推進法が成立しましたが、子どもの貧困問題を真に解決するには、法の下の平等という憲法の理念のもとでの、生存権や幸福追求権と並ぶ学習権を、どんな子どもであっても保障する、という国連子どもの権利条約にのっとった発想がなければならないと考えます。
授業料無償化の所得制限は外すべきであり、今回の第58号議案には反対いたします。

●第25号議案「東京都水道事業会計予算」および第104号議案「東京都給水条例の一部を改正する条例」について
水道局は、赤字経営となることなく、今後の施設更新に備えて毎年50億円の積み立ても実施しています。しかし、すでに減り続けている水需要は、将来人口減少に伴ってさらに減っていくことが確実であるにもかかわらず、施設の将来像は過大な水需要予測に基づくものしかなく、施設能力の全体像や長期的な財政計画もありません。

水道事業は営業利益があり、しかも八ッ場ダムをはじめとする無駄な水源開発や過剰な施設整備を進めている中で、消費税率の転嫁は避けるべきです。よって、水道事業会計予算と給水条例の一部改正に反対します。

●第1号議案「東京都一般会計予算」について
今年2月に急遽都知事選挙が実施されたことから、今回の予算は、当初予算と補正予算が同時に提出されるという変則的な編成となりました。今後4年毎にこの時期の都知事選挙が実施される可能性が高いことを考えると、予算編成のあり方についての検討が必要ではないかと思います。

一般会計は前年に比べて6.4%増の6兆6667億円となり、都税収入は、企業収益の堅調を背景に9.1%増を見込んでいます。国の税制改正によって、法人事業税だけでなく法人住民税の一部国税化が決められました。これまでの国と地方の税制のあり方を変えてしまう政府の一方的なやり方であり、今後の都税に対する影響の懸念材料となっています。

また歳出については、2020年オリンピック・パラリンピックの準備が始まりますが、投資的経費が前年度に比べて6.0%の増であり、特に単独事業が10.7%増とインフラ整備に大きく予算がつけられています。老朽化したインフラを計画的に整備していくことは重要ですが、オリンピックを理由にした不要不急の公共事業が進むことのないように精査する必要があります。 

都政が抱える喫緊の課題として保育待機児問題がありますが、20代のシングルマザーがネットで見つけたベビーシッターに預けた子どもが亡くなるという痛ましい事件が起きました。この事件の背景には、ひとり親や、やむなく土日・深夜に働く人が増える中で、仕事を続けるために子どもを預けられる保育所はほとんどなく、ベビーシッターに頼らざるを得ない現実が明らかになったのです。今、従来の保育ニーズでさえも毎年保育待機児対策に追われていますが、それを解決するだけでは十分とは言えません。さまざまなニーズに応えられる多様な保育を充実させなくては悲劇を防ぐことは困難です。

国は、「女性が活躍できる社会」を強く打ち出していますが、そのために必要な子育てしやすい環境づくりにもっともっとお金を使っていくべきです。先進各国の保育や子育てに対する支出の対GDP比を比べてみると、フランスやスウェーデンなどでは3%以上であるのに対し、日本はわずか0.81%にすぎません。

厚生労働大臣を経験された舛添知事の的確な判断で、今後の子育て支援策を抜本的に構築されることを要望します。 

一方、迫り来る超高齢社会では、住まいと医療と福祉の充実は不可欠です。都営住宅の建て替えによる福祉インフラ整備が進む中で、最近世田谷と板橋の公社住宅の建て替えでは、サービス付き高齢者住宅が併設されました。高齢者にとって、地域包括ケアシステムをより一層効果のあるものにするために、福祉サービスや診療所、コミュニティレストラン、見守り機能などの地域の福祉資源を活用したまちづくりが、すでにURなどで行われています。都営住宅や老朽化が目立つ公社住宅の建て替えを促進する際には、ぜひ地域の力を活用してまちづくりに資するものとなるよう要望します。 

東日本大震災から3年経っても、今なお収束しない原発事故や被災者・避難者への支援は、怠ることはできません。

東京電力エリアは、もう3年も原発ゼロで過ごしています。今後は、遠くの巨大な発電所に頼るのではなく、地域分散型エネルギーにシフトしていくべきです。再生可能エネルギーの拡大に向けては、都も、太陽光・太陽熱などの普及に取り組んでいますが、地域には電気の地産地消に取り組む市民共同発電所の活動があり、省エネの推進とともに、こうした市民活動を支援するよう要望します。  

いよいよ4月からは消費税が8%になります。大企業では景気回復によるベースアップなどがありましたが、中小企業や非正規労働者は、景気回復の実感には程遠く、むしろ増税前の駆け込み需要の反動として、景気が再び停滞することが危惧されています。消費税の当初の目的である社会保障の充実に寄与するよう、都としても国に求めていくことを要望し、生活者ネットワークの討論とします。