これでも罪を問えないのですか~武藤類子さんに聴く~

左から保田行雄さん、私(井上)、木幡ますみさん、大田ネット区議北沢潤子さん、江戸川ネット区議新村いく子さん、武藤類子さんと一緒です。

7月27日(日)さようなら原発江戸川連絡会主催の~福島からの告発~『これでも罪を問えないのですか』で武藤類子さん、弁護士の保田行雄さん、告訴人の一人である木幡ますみさんから(大熊町の明日を考える女性の会代表)のお話を伺いました。 

東京検察審査会は2014年7月31日、東京電力元幹部3人の刑事告訴相当という決議を出しました。東京電力福島第一原発の電気系統は津波により大きな被害が想定される事を知りながらその対策を怠ったというのが理由です。これを受けて東京地検は再捜査することを決めました。大飯原発3・4号機の再稼働差し止め訴訟は5月21日原告の主張を認め差し止めを認めるという判決。どちらも国民世論を背景に、国民の思いが通じた判断でとてもうれしく思います。 

福島原発では未曾有の過酷事故が起きて、いまだ15万人もの人たちが避難生活を送っているのに、誰一人として原発事故の責任を取っていません。東京検察審査会の議決は2012年3月に結成された福島原発告訴団にとって、初めて被害者に向き合ってくれたものであったと思います。 

集会の日には、検察審査会がどういう判断を下すのか、不安と期待を武藤類子さんも保田行雄さんも語っていました。想定外の災害を理由に事業者が責任逃れができるのであれば、これからだって電力会社は平気で原発再稼働をすすめるでしょうし、研究者だってお金をもらって御用学者に安住するでしょう。 

(高橋哲哉・東大教授に聞く、東京新聞より引用)検察は東電への強制捜査すらせずに不起訴の判断をしていたが、本当はすべきだった。今からでも遅くはない。政府の顔色をうかがって結論を出すのではなく厳正な再捜査をすべきだ。 

今度こそ法治国家として真っ当な判断を検察がしてくれることを願っています。 

木幡さんは地元で塾を開いています。大人も子ども健康被害が増えていることがとても心配だといいます。鼻血はもとより、湿疹がひどい子が増えていて、かゆみと痛みが治まると黒い斑点が残る。医者にも原因はわからにといわれています。町ごとに健康調査をしてほしいと要望していますがよい返事がないそうです。福島で子育てをしている人たちの辛く不安な思いが伝わります。 

福島原発はコントロールできているという安倍首相の言葉は全くのウソ。福島原子力発電所の電気を使って来た東京都民にはマスコミ報道も少なく、現状が伝わっていません。福一原発事故を風化させないためにできることを続けたい思います。 

福島と東京の往復や講演活動などみなさんお忙しいと思いますので、くれぐれもお身体に気を付けていただきたいと願うばかりです。(井上八重子)