空き住宅と住宅困窮者のマッチングは地域市民の力を活用

区長・補欠議員の選挙戦の1週間が終わりましたので、生活者ネットワークが行っている通常の広聴活動に出かけました。生活の中で感じる暮らし難さや困りごと。これは決して個人の問題ではなく政治のしくみの問題ということが多々あります。 

今日は80代の女性からお話を伺いました。家賃が高くて年金では暮らしていけないので、引っ越しを考えて3年も4年も不動産屋さんを回っているけれど、高齢者にはどこも貸してくれないと。

50代のお子さんが同居しているけれど、交通事故で加害者も見つからないまま後遺症で4年近く治療中で、最近やっと無理をしてアルバイトを探して働き出したとのこと。根掘り葉掘り詳しくお聞きすことはできないけれどいったん引き取り、支援策がないか調べてみました。 

高齢福祉課の住宅係では高齢者一人暮らしの住宅あっせんを対象にしているので、息子さんが同居であれば対象外との回答。住み替え支援の住情報ネットワーク支援事業が2011年からスタートしているのに、八潮団地に限った支援しか現在は行われていなくてこれもだめ。息子さんの事故の影響で人生設計がくるってしまっているとして収入がなければ生活保護の相談も可能かと思いますが、預貯金や保険があればこれもだめ。 

「2008年住宅・土地統計調査」の分析では品川区の空き家は推定で2000戸です。この中には戸建てや集合住宅も含まれていますから、うまくマッチングすれば、住宅困窮者対策は可能です。住情報ネットワークの創設時には高齢単身者、障がい者、一人親家庭、子育て世帯等を包括した住宅困窮者の支援事業の展開を期待していましたが、現状そのようには運用されていないのが残念です。 

先行自治他の事例を研究して生活者ネットワークは地域市民の力を活用して柔軟に解決できるしくみの提案をこれからも行っていきます。(井上八重子)