ストップ・リニア!訴訟の第一回口頭弁論が開かれました

ミニ集会後に法廷に向かう川村晃生原告団長(左二人目)、弁護団共同代表関島保雄さん(左端)

ミニ集会後に法廷に向かう川村晃生原告団長(左二人目)、弁護団共同代表関島保雄さん(左端)

今年5月20日、リニア中央新幹線の1都6県の沿線住民738人が原告となり、国土交通省相手に2014年10月17日に国土交通大臣がJR東海に行ったリニア中央新幹線の工事実施計画の認可は違法であるとして、その認可の取り消しを求めて東京地裁に行政訴訟を提起しました。

そのストップ・リニア訴訟の第一回口頭弁論が9月23日(金)14時から東京地方裁判所103号法廷で行われました。小雨が降る中、1都6県沿線の東京、神奈川、山梨、静岡、長野、岐阜、愛知、そして遠くは大阪から、この裁判を傍聴しようと大勢の方々が裁判所前に集まりました。私も原告の一人として午前の東京ネットのエリア会議を終えて駆けつけました。裁判所前のミニ集会に続いて、98枚の傍聴券を求めて整理券をもらうのに並んだのは237名でした。私の整理券番号は204番。当選番号203番の次に204番はなく、残念ながら私は抽選にもれてしまいました。仕方なく16時から予定されている報告集会に参加するために、抽選もれの方々と一緒に参議院会館に移動しました。CIMG4983

参議院会館101号室の報告会には180名の方が参加しました。裁判閉廷後に弁護士共同代表、原告代表、事務局代表が記者会見を行い、参議院会館に駆けつけました。記者会見の様子は同日のNHKとTBSのニュースでは報じていたようです。

報告集会では傍聴に入れなかった人たちもたくさんいたので、法廷内の様子を記者会見に同席していない弁護士から具体的に聴くことができました。このような裁判では第1回口頭弁論というのは形式的に5分程度が一般的ということですが、予定時間を25分もオーバーして原告代表や弁護士さんが60分も陳述を行ったということ。そして裁判長も時間を止めることをしなかったそうです。これは裁判所がリニア新幹線は国策で進められている大きな問題であると理解していることの表れで、さらに103法廷という大きな部屋を4カ月先まで日程を決めて抑えていることからも裁判所の姿勢がわかるというお話でした。そして過去に国土交通省を相手に住民訴訟をした経験のある弁護士さんが報告していたのですが、JR東海の大弁護団にも驚いたとのことです。戦う相手はJR東海なのだろうけれど、国土交通省はあまり本質を理解していないでJR東海が裁判を主導すること自体が大きな問題であるとも言われました。

原告代表の慶応大学名誉教授の川村晃生さん

原告代表の慶応大学名誉教授の川村晃生さん

弁護団からの2か月おきぐらいの審査という要望が受け入れられ、今後の審理は12月9日(金)14:30、2017年2月24日(金)14:30、2017年4月28日(金)ということも発表されました。

記者会見から戻った方々からのあいさつと報告がありました。

マスコミのカメラも複数台ありました。中央の黄色のジャンパーの方はテレビ信州のカメラマンさんでした

マスコミのカメラも複数台ありました。中央の黄色のジャンパーの方はテレビ信州のカメラマンさんでした

原告代表の慶応大学名誉教授の川村晃生さんからは弁論内容の二つの説明がありました。一つは住民のこうむる被害に対して、それを上回るリニア中央新幹線が必要とする合理的説明がなされていないこと、二つ目は重大な自然破壊は、自然と共に暮らす人たちの生き方そのものの権利侵害に当たるということ。そしてお願いとして今迄の行政訴訟は行政に有利になっている。裁判所としてこの問題に真摯に向き合うよう伝えたとお話になりました。

そして3名の弁護団共同代表のおひとり関島保雄弁護士から環境破壊が起こっていることに対して環境影響評価で十分な調査も審査及び評価もしないままに大臣が認可したことは違法であること、全国新幹線鉄道整備法や鉄道事業法に違反していることを中心に弁論を行ったと報告がありました。

弁護団共同代表の関島保雄さん

弁護団共同代表の関島保雄さん

このような内容を直接法廷で聴くことができなかったことは残念でしたが、リニア中央新幹線開発には大変大きなそして多岐にわたる問題があることが詳細にわかりました。

品川区では品川学園隣に変電所と非常口が計画されており準備工事が始まろうとしています。マスコミなど国の言いなりになって品川駅でリニア工事着工とか準備工事を本体工事が始まったかのように既成事実化して報道・誘導していますが、決してそんなことはありません。

ちなみに今年6月27日に品川第一区民集会所で行われた品川学園隣のリニア新幹線準備工事説明会には16名しか参加がありませんでした。(こちらのHPご覧ください)

品川区は「リニア中央新幹線」と「羽田空港増便計画の飛行ルート変更」と具体的に品川区民が影響を受ける大きな問題が起こっています。(これだけではないことは十分承知ですが・・・)品川区民としてこの問題に「いま」関心を持っていただきたいと思います。(井上八重子)

参議院会館にて行われた報告集会(2016.9.23)

参議院会館にて行われた報告集会(2016.9.23)