ストップ・リニア訴訟第7回口頭弁論を傍聴

裁判閉廷後に会場を参議院会館に移し、弁護団から裁判長と弁護団のやりとりについての内容が報告されました。その後シンポジウムも合わせて130名もの方が参加しました。

リニア中央新幹線沿線住民によるストップ・リニア訴訟が昨年9月から始まっています。原告団代表は山梨県の川村晃生さん(慶応大学名誉教授)で他737名の一都6県の沿線住民が原告となって、『平成28年(行ウ)第211号 工事実施計画認可工事取消請求事件』の口頭弁論が2016年9月に第1回をスタートしました。2カ月に1回のペースで、意見陳述が行われ、11月24日には東京地方裁判所(103法定)で第7回の口頭弁論が開かれました。初回の裁判の傍聴では抽選漏れで、この時の報告(2016年9月25日)はこちらでしています。ご覧ください。

それ以降の裁判の傍聴は出来ませんでしたが、今回は来年1月の東京の陳述のために、原告席で傍聴をしました。

第7回の意見陳述をされたのは、愛知県春日井市に住む川本さんと水質汚染に関する調査に長年従事された大沼淳一さんです。

春日井市に住む川本さんは春日井市民の最大の不安として、地元の亜炭鉱跡の下にトンネルが掘られると陥没する危険性が増大するのではと意見を述べました。「現在でも亜炭の採掘による陥没事故が起きており、2015年2月にリニア路線50mの中部大近くで深さ2m直径2mの陥没が起きた。また1か月後の3月15日には小学校の通学の集合場所となるちびっこ広場で深さ2m直径5メートルの陥没が起きた」3月15日は幸い日曜日だったため児童は事故から逃れることが出来たそうです。100年以上前に産業用や家庭の燃料として採掘され、昭和40年代に鉱山は閉鎖されたといいますが、当時の採掘現場の資料として地下坑道の記録はないそうです。このように予見ができないままトンネルを掘削すればどのようなことが起こるのか、未知数だと言います。

詳しい現場の状況が写真を交えて述べられたので、裁判官たちにも危険な状況は理解されたのではないかと裁判の報告会で弁護団弁護士も発言していました。

もう一方の大沼さんは、かつて犬山市で起きたカドミウム汚染米事件を取り上げて、専門的な見地から意見陳述を行いました。こちらは専門的すぎてちょっと理解するのが難しい内容でした。詳しくリニア・ストップ訴訟原告団HPに報告されています。

今回も傍聴席100席は満席で150名近い方が抽選に並びました。

裁判の開廷前には地裁前で集会が行われ、訴訟事務局長の天野捷一さんの司会で13時15分から始まりました。13時を過ぎると徐々に東京地裁前の道路には人が集まってきました。陳述者お二人の発言と代表の川村晃生さんの挨拶、裁判後の衆議院会館での報告集会に続くシンポジウムの案内などがあり1時間ほどの集会が終わりました。集まった方が一斉に傍聴券を求めて並び、抽選が行われました。

予定では東京、神奈川の口頭弁論は次回で終了するはずでしたが、品川川崎などの人口の多い地域と神奈川の山間部では状況が違うということで2回に分けた陳述が認められました。ということで次回は2018年1月19日(金)の14:30~、103号法定でリニア・市民ネット東京から品川大田・川崎方面の陳述を行う予定です。

講演&報告

これで走るの!?リニア新幹線の大問題

12月10日(日)開演13:30(開場13:00)
エセナおおた第2・第3学習室
大田区大森北4-16-4(JR大森駅東口より徒歩約8分)
参加費500円

共催
リニアを考える自治体議員懇談会
リニア・市民ネット東京
STOPリニアプロジェクトGJ

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