富士見高原療養所の保存を願う

  先日品川の長野県人会の新年会がありました。荏原金刀比羅神社で『清め祓い』をし、神社の一室を会場に今年も和やかに始まりました。
 長野県では子どもから大人、おじいちゃんおばあちゃんまでみんなが『信濃の国』を歌うのですが今日も出席者全員で『信濃の国』を合唱して新年会のスタートを切りました。(カラオケにもちゃんと入っているんですよ)
 
八ヶ岳の雪景色や遠くの青空の中にそびえる南アルプスの山々をこの歌を歌いながら思い出していました。私はいつも自己紹介をするときに「諏訪の出身で八ヶ岳のすそ野です。」といいますが本当に我が家の実家の庭からは八ヶ岳を背負っているように見えるほど近くなのです。

  2月6日付の読売新聞に堀辰雄の小説『風立ちぬ』の舞台にもなった長野県富士見町の旧富士見高原療養所(現富士見高原病院)の当時の面影を残す富士病棟を残そうと地元の有志が保存運動を始めたことが記事になっていました。現在でも富士病棟は事務室や医局に使われているというのは驚きです。数多くの文化人が訪れ、竹久夢二はこの診療所で療養中に亡くなったといいます。

高原病院は父が何度となく入院し元気になり、娘は作業療法士になるための実習でお世話になったりと私にとっても身近な病院です。

古き時代のものがどんどん壊されていく時代ですが、残していけるものならば大切に守っていってほしいと思います。町の財政や有効利用も求められるでしょうが、住民の合意形成を図りながら富士見町だけの財産ではなく後世の財産とし考えてほしいと思います。「元町民」の願いです。