外国人の情報バリアフリーが一歩前進

 品川区は8月1日よりインターエフエム局で早朝6時56分から59分の3分間、日替わりで日本語と中国語、韓国語、タガログ語、英語の2ヶ国語対応の放送を開始した。
外国の人たちへの生活全般の情報はもとより特に災害時の情報発信は課題として挙げられていた。これに対し区は来年の3月まで試行期間として、3分間で発信できる情報の質と量の点検、利用者ニーズの把握など検討し、来年度の本格実施に向けた準備をする。当面は生活情報や観光客向けの放送などを予定しているという。

委託契約を結ぶことになった同局は外国の方が入国時に案内されるところでもあり、外国語に対応する人材もすでにそろっている。そしてFM周波数域も最左端と災害時に混乱したときにもわかりやすいという利点もある。平常時からこの放送局のPRをしっかり行い、必要なときに必要な人に情報が届くシステム構築が望まれる。
 
  外国の人たちと同じように聴覚や視覚に障がいのある人たちにも情報バリアは深刻である。8月14日の朝日新聞にも中越沖地震についての関連記事があった。目の見えない人や耳の聞こえない人の生活に欠かせないテレビ。総務省の指針によって聴覚障がい者向けの字幕放送は10年間で急増したが、一方で手話や視覚障がい者向けの音声による解説がなかなか普及していないということだった。特に災害時には正確で迅速な情報が生命にかかわる。

国には字幕放送などの制作費を助成する制度はあるものの年々交付が減少している。04年は6億円が交付されていたが07年度は4億円にとどまっている。
こんなところにも弱者切り捨ての政治構造が見られる。

そんな中、最近は日本映画にも日本語の字幕が付くようになり、耳の不自由な人も映画を楽しめる環境ができてきたことは嬉しいこと。立場、環境の違いをひとりひとりが認め合い想像しあうことで、思いやりの気持ちを育てていきたい。

※写真は夏祭りでソーラン節を踊る中学生