『障がい者の就労について』考えました

  市民と行政が話し合う第14回市民と行政の協議会が1月17日に都議会で行われました。市民が直接行政に質問をして、課題を明らかにしていくという本当に優れものの取組みで生活者ネットワークがコーディネーターをしています。食の安全、ダイオキシン、都市農業、湧水とまちづくり、留学生問題、NPOなど特定のテーマで、市民グループと行政が政策協議を重ねてきました。

テーマは障がい者の就労支援です。障害者自立支援法の施行を受けて、今まで障がい者とともに活動してきた団体は法内化に向けての再編が迫られています。市民側は、多摩市で「あしたや協働企画」、「ワーカーズコレクティブ風」、「NPO多摩草むらの会」で障害者とともに働く場をつくってきた方々が活動の中から事例報告を交えながら、担当部局に質問をし、協議が行われました。

協議会でのやり取りを聞いていて感じたことは、障がい者の就労の問題は就労だけの問題ではなく生き方の問題だということでした。障がいがあってもなくても共に学びあえる教育と小さいうちからの社会参加の機会が必要だったのではないかということです。義務教育では別々な環境を強いておきながら、大人になったらさあ一緒に働くんですよでは随分身勝手な対応だと思います。

今まで社会は障がい者は働けないと決め付け、障がい者自身も働けないと思い込まされていた。これを変えていく必要があると担当課の職員は言いました。

最近読んだ翻訳本「私たち遅れているの」では遅れを招く環境(施設)は、知恵遅れの行動をモデルとして学んでしまい、自分がまるで価値のない人間に思わされ、何もできないと思い込んでしまうと書いてあったことを思い出しました。この協議会の準備会メンバーでもある司会者のNPO法人やまぼうしの伊藤勲さんが「障がい者の就労を保障するということは、本人の社会参加と自己実現という権利を守ること」であるといわれたことが心に残りました。