自治のない社会では人々は政治に無関心

東京・生活者ネットワーク 新春の集い開催

  東京・生活者ネットワークの新春の集いが2月8日、中野サンプラザで恒例の講演会と地域の市民力活動をアピールする2部構成で行われました。(私井上八重子は二部の司会を担当しました)
一部は哲学者であり、立教大学大学院異文化コミュニケーション研究科・特任教授の内山(うちやま)節(たかし)さんの「政治の否定・政治の創造‐現代政治のかかわり方」と題する講演会でした。

話の中で面白いなと思ったのは明治初期に神仏分離が行われ、自然を神様と祭って生活してきた人々の共同体自治が解体されたという歴史。それ以前は農村では住民自治がしっかりと機能していた。そしてだんだんと自治がなくなった社会では人々は政治に熱意がもてなくなり、参加も見られない。・・・なるほど。だから今政治には無関心という人が多くなってしまったんですね。

そんな現代でありながら内山さんの住む群馬県上野村では、まだ住民が村の在りようを決める自治が残っているといいます。

でも都会に目を向けると、住民が限りなく分断され、個別化してしまっている。そんな現状の中で政治の創造ができるのか?諦めずに都市の再生を目指すならば、農村との連携を視野に考えることが望まれ、そして連携できる人口規模は30万人が限度という。

再びなるほど。品川区の人口はすでに34万人。これから大崎、東五反田、北品川地域と高層住宅の計画がまだまだ続きます。住民自治に赤信号が点滅しているのにこのまま開発優先のまちづくりでよいのでしょうか。

二部では子どもの外遊びを支援する「KOPA」フリーターや若者支援の「NPO・POSSE」子どもたちが水辺で楽しく遊ぶ「狛江水辺の楽校」の紹介やフロワーでも団体展示コーナーがあり、活発な情報交換が行われました。品川からアピールした「品川自助具の部屋」にも多くの関心が集まっていました。(井上 八重子)

【写真左】品川自助具の部屋の展示コーナー
【写真右】内山節さん