車椅子での移動を体験

肢体不自由児者父母の会の新年会に伺いました

  今日は肢体不自由児者父母の会の新年会と成人を祝う会に出席しました。例年行事ではあるけれど、旗の台の心身障害者福祉会館がなかなか取れなくて遅くなりましたと会長の崎村さんからご挨拶がありましたが、今年は当会の50周年を迎える年ということで重ねておめでたい会となりました。自己紹介では本人は還暦を過ぎ、障がいを持つお子さんが38歳とか年男ですとかお話になっていましたが肢体不自由児者父母の会の50年の歴史の重みを感じました。

  昨今障害者基本法や障害者自立支援法が成立し、障がい者を取り巻く施策は日々刻々と変わっています。支援費による施策が始まって、措置されるサービスから利用者が選べるサービスへと制度が変わったのですが、定着するまもなく自立支援法の成立によって障がい別だった施設の体系を一体化し、サービス利用者は費用の1割を負担することになりました。国の思惑では介護保険法と自立支援法を統合するために1割負担を導入しておこうというものだったと思われます。しかしこれには福祉サービス利用者だけではなく、自治体、施設、作業所などの現場で大混乱になりました。さすがに自民党・公明党の与党が昨年暮れに、利用者1割負担の軽減や事業経営者の報酬アップ、介護保険との統合を前提にしないことなどを盛り込んだ自立支援法見直し案を提出したようです。 国民の福祉こそ国が行う基本的な政治でありながら、人権をないがしろにして右往左往している様にはあきれます。
 
  会が終了後、電動車椅子利用者の方2人と4月から大学で福祉を学ぶという学生さんと4人で一緒に大井町まで帰りました。旗の台駅のインターホンで車椅子の介助を告げると、エレベーターのところで待つように指示があり、駅員さんと一緒にホームにでました。新しく出来たエレベーターは奥行きが広く車椅子2台が前後に乗ることができました。
「イトーヨーカドーは乗れないんだよね」と突然二人が言いました。エッそんなに狭かったっけ?と聞くと地下から乗り込んでくる人が多くて、降りてくれる人もいないので利用できないというのです。(ん~~難しい)

ホームの車椅子サインのある位置で待ち、とてもスムーズなハンドル(?)さばきで縦列駐車のように並んで車椅子スペースに乗り込みました。学生さんと二人「すごい!」

少しずつ交通機関のバリアフリーは広がっているけれど、どうしても人の手は必要です。移動する権利が気兼ねなく保障される社会が早く来るいいなと実感しました。(井上八重子)

写真:右端に車椅子マークがあるのが見えますか?