救急医療情報キットは区全体に導入を

高齢者見守りネットワークアイデアいろいろ

  品川区の働きかけで2008年から「孤立死ゼロ」をめざした高齢者見守りネットワークの取り組みがモデル町会で始まりました。そして2009年にはモデル地区の結果を参考に新たな町会で見守り活動がいろいろなアイデアをもとに取り組まれています。区の財政支援は年間10万円を上限に3年間、活動に対して助成金が支給されます。

救急医療情報キットを手づくりしましたと「ひとことハガキ」をくださった小山7丁目町会を取材しました。婦人福祉リーダーのお宅に同僚議員の市川さんとお邪魔したのですが、そこには町会長さんと総務部長さんも同席してくださいました。たくさんのお話をいただき、ありがとうございました。

品川生活者ネットワークニュース71号で取り上げた、救急キットを小山7丁目町会では手づくりで作ってしまいました。昨年7月に港区で配布されている救急キットのことを知って、品川区に救急キットに取り組むよう要望したそうですが、区からは前向きな答えはなかったそうです。

区に期待できないのならば、町会独自で取り組めないかと港区に足を運び、情報収集を行い、町会アンケートで84%の方から救急キットが必要と回答を得たそうです。キット容器の筒を注文し、ラベルはパソコンが得意な総務部長さんがつくり、みんなでラベルを丸く切ったりして、筒に張り付けて100本のキッドをつくりました。それが写真の医療情報キット「EMI(笑み)キット」です。現在84個が配布されているそうです。

冷蔵庫にキットがあることを消防隊に知らせるための目印は全世界共通(Star of Life)のマーク。マグネットシートを玄関ドア内側に張ります。防犯のためにドアの内側でなければなりません。筒の中には医療情報を記入した紙が入っています。

町会長さんは「荏原消防署とは連携が取られていて、荏原の救急隊はみんな小山7丁目の救急キットの存在を承知しているんです。他の署の救急隊にも情報が行き渡っていなければ、効果は半減してしまうので、このキットを区内全域で導入して欲しい。そして品川区から都内全域に広げるためにリーダー的な役割を期待している」と話されました。
後日荏原消防署旗の台出張所にもヒアリングに行きました。(井上八重子)