行政のアカウンタビリティ(説明責任)が問われる

施設の有効活用ができない理由 行革特別委員会報告

 旧第一日野小学校の跡地活用の詳細が行財政改革特別委員会で報告されました。
この件で始めて議会に報告があったのは2005年11月で、第一日野小学校の跡地はTOCの駐車場として貸付をするという方針でした。
それから5年が経過し、その間に日野中学校が日野小中一貫校へと移り、第一日野小学校、幼稚園が五反田文化センターと一体的に建築され、今年の4月より新しい校舎で授業がスタートしています。

区とTOCとの協議では、TOCは営業しながらの改築計画があり、企業のコンセンサスが得られたときに工事を着工する。着工の時期がまだ定まらないので、2年間を暫定期間として区と賃貸契約を結び、店舗利用者のための一時利用駐車場78台分を学校の校庭に整備する。貸付期間は2010年9月6日から2012年9月5日まで。貸付料は月額109万円(年間1308万円)。
暫定期間は最長2年間とするが、前倒しで正式に貸し付けることもありえ、その場合の契約は10年間となる。以上が10月27日の行革特別委員会に改めて報告されました。

委員会の質疑の中で●貸付料の109万円の算定根拠が適正か?●2年後に新たな料金で契約が結ばれるのか?●住民要望として待機児対策は喫緊の課題であるのに、旧第一日野幼稚園の建物をなぜ利用しないのか?などが出されました。

●貸付料は財産価格審議会の答申により決定しているので適正である。●暫定貸付と長期貸付では算定条件が異なるので、改めて同審議会に諮ることになる。●旧第一日野小学校と幼稚園は国の「安心安全学校づくり交付金」5億3876万円の補助金を受けて建て替えて移転しているので再利用はできない。文科省からも新しい校舎ができているので速やかに解体するよう指導を受けている。短期的な活用はできないと判断。以上のような答弁を区はしました。

「旧第一日野幼稚園の活用をなぜしないのか」という意見は昨年も今年も行革特別委員会で繰り返しされてきたことです。大人用の施設を子ども用に改修するのではなく、子ども施設を子どもになぜ使えないのか。保育園でなくとも、保育ママが保育の場にすることも可能ではと、誰もが有効活用できないものかと考えるのは当然のことです。なのにただ区の考えを押し付けるような答弁を繰り返してきました。補助金を受け取っているので、それはできないとはっきり説明しなかったのはなぜか。
区だけが情報をわかっていればよいと考えているのであれば、市民との協働の道のりははるか遠いといわざるを得ません。(井上八重子)