東京の森林を考える

2011年7月24日 11時48分 | カテゴリー: 活動報告

「川調査」「神田・墨田川めぐり」「多摩川源流探索」そして今度は「森林探索」

ボランティアの協力できれいに間伐されたみごとな杉林
ボランティアの協力できれいに間伐されたみごとな杉林
7月15日、「東京・森の学校」として公開されている、あきる野市養沢の林業家岩谷キワ子さんの山を訪ねました。
朝8時半に立川駅を出発、10時過ぎに現地に到着し、参加者42名が4つのグループに分かれて、森林インストラクターの説明を聞きながらお昼の休憩をはさんで3時間ほどの行程の山歩きをしました。

東京都の森林面積は、2008年4月現在で7万866ヘクタールありますが、東京都の面積のどのくらいを占めていると思いますか?[26%、36%、46%]さて正解はどれでしょう。

答えは36%です。森は水資源を育み、二酸化炭素を吸収・固定するなど様々な機能があり、私たち人類はその恩恵にあずかっています。一方、森は木を生産するところですが、木材価格の低落や経営コストの上昇などで生産量は70年ごろをピークに減少の一途をたどっています。外国材の輸入全面自由化が進み、1970年には燃料革命により薪炭のニーズが減少という背景もあります。

1970年代といえば私がちょうど中学生ごろです。その頃は我が家もかまどでご飯を炊き、お風呂は薪で沸かしていました。ですから小さいころから毎年稲刈りが終わって雪が降る前には、『おじいさんは山へ芝刈りに』の昔話みたいに家族全員で山に薪を取りに行っていました。時代の流れとともに台所のかまどはプロパンガスのコンロに代わり、風呂は夜間温水器を活用するようになっていました。木を消費する機会が減ったと私も体験的に実感できます。

林業を生業にしている方々にとって木材価格の下落も深刻です。40年前の1/8から1/10、物価指数を反映するとなんと1/24とのことです。安価な外国産の木材で、安直な家づくりがすすみ、日本の森林は人の手が入らないまま放置され荒廃しつつあります。
当主の岩谷さんも手入れの経費も出ない価格で、ここ10年1本も木を売っていないということでした。

日本国土の67%が森林ですが、木材自給率は2009年ではたったの27.8%です。ちなみに他国の自給率、例えばカナダは303%、森林率の低いイギリスでも25%とのことです。2011年は世界中の森林の持続可能な保全を目指す国際森林年。資源として十分に活かせるはずの森林。そして川や海の浄化にも力を発揮する森林を見直すいい研修になりました。(井上八重子)