子どもの側に立った支援を

2013年3月11日 08時49分 | カテゴリー: 活動報告

3月9日(土)に子どもの権利条約総合研究所主催の「フォーラム子どもの権利研究2013」に参加するため早稲田大学に出かけました。土日と二日間にわたるフォーラムですが、一日目の『シンポジウム1:「いじめ解決」への子どもの権利:緊急提言』の方だけ、品川区が直面しているタイムリーなテーマにだったので参加しました。

品川区は昨年9月に中学男児がいじめを苦に自殺するという痛ましい事件がおきました。区教委はすぐに当該生徒の保護者を入れた調査委員会を立ち上げ、その委員会からだされた報告と提言により、2013年度にスクールソーシャルワーカーや子ども相談専用電話、子どもの意見を聞く目安箱などの対策を講じる経費を予算に反映しました。

報告1の再発防止につなぐ原因究明「調査委員会のあり方」で個別案件の臨時運用型では継続性が保証できないという課題があることがわかりました。いじめ事件では学校が隠ぺいすることが多い中、品川区はいち早く調査委員会を立ち上げました。このことは評価できますが、システムの在り方として①相談②調査③報告④提言⑤普及・広報が求められるところ⑤の情報提供や注意喚起ができていないと感じました。 いじめを含む学校事故は児童数が減少しているにもかかわらず年間110万件を超え、2011年報告では死亡事故は82件、重いものを含めると380件で再発防止システムのあり方として常時運用型で、事故等や人権侵害事案が発生しないように「調査」を通じて事前予防をはかっていくことが重要ではないかとという提言がありました。

報告2では「子どもが安心して相談できるしくみ~解決主体としての立ち直り支援」と題して元川西市子どもの人権オンブズパーソン調査相談専門員の福田みのりさんから事例を交えた報告がありました。申し立てをした子どもがどう解決をしたいのかという希望を叶える形で子どもの立ち直り支援を行う過程は共感し感動しました。子どもの救済をしようとしたとき司法しかその場がなかったのが、オンブズがその代りをするようになったと。しかし1800ある自治体の中で子どもの人権オンブズがある自治体はまだ多くはありません。

報告3は豊田市子ども条例と可児市子どもいじめ防止条例を根拠に人権擁護委員をされる弁護士の報告で、条例の違いに着目した課題が抽出されました。課題はあっても条例があることの意義が大きいことは言うまでもありませんでした。

最後に学校における「いじめ」解決のしくみと題して、日本社会事業大学教授のスクールソーシャルワーク協会会長の山下英三郎さんからお話がありました。 「子どもたちはおなじ学校、同じ地域に暮らしていく。だから、いじめという事象を子どもたちの手から奪い去り、大人たちが自分たちの論理で対処することに始終し、子どもたちを引き裂いてしまう解決の付け方を、関係を修復して双方が折り合いをつけながら生きていく道を探っていく方法に変えていかなければならない。」 この山下さんの言葉は重かったです。そのために、権利擁護という視点で子どもの代弁をするスクールソーシャルワーカーの存在が期待されています。

たくさんの示唆をいただいた充実したシンポジウムでした。この情報を品川区教育に活かせるように、子どもの権利に着目した提案をこれからも続けたいと思います。

(井上八重子)