本当のフクシマパネル&写真展~原発避難者亀屋幸子さんに聴く~

経産省前テント広場が私の第二の故郷という亀屋幸子さん

『本当のフクシマ』と題したパネル&写真展が7月6日(土)荏原第四区民集会室で11時~16時まで市民グループ主催で行われました。

私が伺ったときに、福島第一原発から1.2キロ離れた福島県双葉町から避難されている女性の話を聴く交流会がこれからあるからと誘われ、一緒にお話を伺いました。お話くださったのは、毎週金曜日に経済産業省のテント広場に抗議に通う亀屋幸子さん。

何としても原発の再稼働は許せないんです。

自民党の安倍さんは東京電力福島第一原子力発電所の惨状とその周辺で暮らしていた民のことなど見ようとしていない。原発は安心・安全という言葉を何千回、何万回と聞いたが、安全ではなかった。3月12日早朝、けたたましいサイレンの音とともに「10キロ先へ逃げろ」といわれて以来、地獄を見てきた。
だからこの『地獄』を二度と誰にも経験させたくはない。絶対再稼働はゆるせないと強い口調で私たちに語ってくれました。

一時帰宅を許されたバスの中から見た防護服に毒ガスマスク。これが日本かと涙が止まらなかった花が好きできれいに整えていた大好きな自宅の花壇は背の丈以上の雑草に覆われ、家の中は泥棒に荒らされ、ネズミの死骸と大きな糞まみれ。
東電は故郷と住まいを奪いながら十分な補償もしない。一軒100万円が口座に振り込まれたが、これは見舞金ではなく東電の貸付金で、賠償金から100万円が差し引かれた。初めに言ってくれれば、東電にお金なんか借りはしなかったし、受け取らなかったと悔しい思いをした。家の賠償金の算定ではどんな高価な家具でも最高額20万円まで一つだけ。泥棒にあったのは知らん!いま自宅に残っているものだけという。話にならない。お金なんかいらないから故郷を返せ、自宅を返せと言いたい。
国は双葉町の帰還可能な地域を示したが、まち全体の4%。それでそこは津波に流され家も何にもないところ。東電は家屋の賠償をしなくて済む。国と東電は示し合わせてそんないい加減なことをやっている。

亀屋さんの話を伺っていて、国は過酷事故を起こした福島第一原発と周辺のまちの様子が現在どのような状況になっているのかということを国民の目にさらす責任があるのだと思う。原発爆発の惨状の一部だけ(いつも同じ映像)ではなく、犬や家畜がふらふらと道を歩き、瓦が落ち屋根がへこみ修理もできないまま放置されているゴーストタウンをマスコミはどこも報道しない。国営テレビのNHKさえありのままを見せないのはどうしたことか。フクシマ原発事故の現実をみれば「原発再稼働」は必要ではないかしらと迷っている人は、明らかに考えは変わるでしょう。

大きな地震が来ると心配し、復興予算をも横取りする様に防災対策にこぞって使っておきながら、原発事故には目をつぶり、再稼働に前のめりする自民党の姿勢は許せない。(井上八重子)