新しい公共を品川区に位置づけよう!!

NPOシーズの松原さん(副代表理事)をお呼びした会派学習会

行政が担ってきた公だけでは現在の地域社会の課題は解決できない。そこでその領域を市民・NPO・企業が行政と連携して課題解決に取り組む「新しい公共」が改正NPO法の成立によって大きく力を発揮できるようになりました。新寄付税制でNPO法人への寄付がしやすくなりましたのでその仕組みを正しく理解すること、そして新しい公共の担い手であるNPOのサポートに必要な知識を得るために民主・改革ネットの会派で学習会をしました。

NPO法の成立は1998年ですがそのきっかけは1995年の阪神淡路大震災です。くしくも今日はその阪神淡路の大震災が起こった1月17日。27年目の追悼式が行われています。NPO法人が認定され始めてさあこれからという時にオーム真理教事件や米国9.11が逆風となり停滞気味であったといいます。しかし当時NPO法ができていたことで昨年の東日本大震災においても随所でNPOの活躍がみられたと松原さんは言います。全村民が避難という事態には、三宅島で全島避難した経験を持つNPO法人が助け、都会のNPOでは理解できない村組織の支援は新潟地震の経験を持つ新潟のNPO法人が活躍したといいます。現在東北3県でNPOのネットワークを進めようという動きが出来つつあるそうです。

そんなわけで災害だけではなく地域課題解決のためにNPO法人の力を十分に発揮できるようにとできたのが新寄付税制と改正NOP法です。
新寄付税制のポイントは最大寄付金の50%が還付金として戻る税額控除方式が導入されたこと。たとえば認定NPOに5万円の寄付をした場合、昨年までの所得控除方式であれば9300円ですが、税額控除方式だと2万4000円の還付金になります。言い換えると半分の寄付は税金によって支払うことになるので、結果的には市民が税金の使い道を選択することにもなります。結構すごいことなのだと思いました。

改正NPO法のポイントはパブリック・サポート・テスト(PST)の要件が緩和されて、認定NPO取得は3000円以上の寄付者が年平均100人以上でもよくなったということ。従来は経常収入の20%が寄付収入でなければなりませんでした。もう一つ、認定NPOの認定が国税庁から都になるので認証・認定が東京都となり申請も手軽になります。

税制支援策はできましたが、これをいかに使いこなしていくかが今後の課題です。品川区のNPO法人と連携して、品川区内で活躍できるよう議会として条例整備に取り組みたいと思います。(井上八重子)