思い出に残るのはやっぱりイベント・行事の体験

卒業おめでとう

  3月19日、城南中学校の卒業式に列席しました。今年の同校の卒業式は、校舎の建て替えのために、近くの六行会(品川中央図書館となり)ホールで行われました。ホールは体育館のようにはいかないので、卒業生と保護者、そして在校生の代表のみが参加ということになりました。在校生は時間をずらして近くの公園に集合し、卒業生を送り出します。卒業生にとっても特別な思い出になりそうです。

会場の都合で来賓は舞台の上に席が用意されていたので、卒業生の横顔しか見ることができない例年と違い、子どもたちの喜びの顔、別れを悲しむ顔、泣きじゃくる顔、いろいろな表情を真正面から見ることになりました。

わが子の卒業式は15年も前のことになるのですが、あの時の、泣きじゃくる娘の姿、涙をこらえて歯を食いしばっている息子の姿が眼に浮びました。

卒業生の答辞の中にたくさんの行事の思い出が語られました。7年生の時の5年生との高遠遠足、長崎への修学旅行、運動会、合唱コンクール。友との関わりの中から、一致団結する達成感が実感できたこと、その大切さを忘れないというのです。とても感動する答辞でした。その理由は学校の中でたくさんの行事があったからでしょう。

新学習指導要領で学習時間数が増え、行事を簡単に済ませようという動きが広がっています。遠足がなくなった、運動会は時間がかかるものは無くして、徒競走だけとか・・。この時期しかできない子どもの体験を削って、学習時間を増やす教育が本当に子どもの生きる力を養うことに繋がるのだろうか。現場の教師、品川区の教育委員会にはそのことをしっかりと考えてほしいと、答辞を聞きながら思いました。大人の自己満足を子どもに押し付けてはいけない。子ども主体の学びの場が求められています。(井上八重子)

写真は品川小学校の児童が整備する京急新馬場駅前の街角花壇