変更された内容は2点です。荏原地区で考慮が必要な項目としてあげた防災性の向上、文化交流施設の不足、駐車場のうちの駐車場という項目の削除と既存の体育館の活用を止めたことです。案の段階での変更は意見が反映されている証なので良としますが、変更の理由は明確にすべきです。
初めて公表されたた図案がパブリックコメントには示されましたが、イメージをしやすくするためだけで広さなど根拠はないとのこと。メージ図を元に質疑が行われるのでかみ合わない部分もありました。が判断材料にはなると思いますので委員会の報告とします。
「地域ニーズとしての駐車場がある」という表現を削除した理由は「取り立てて書かなくてもよい」という説明で答えになっていませんでした。平塚小学校の図面を見ると駐車場・駐輪場は施設の利用者用と見えますが、区は現段階では一般向け有料駐車場を視野に入れています。委員の長期的視野に立ち平置駐車場ではなく地下駐車場にしてはという意見に対して区は経費がかかりすぎると否定しました。
※「駐車場設置の目的」と全体費用が見えないので言いっぱなしの要望だけの議論でした。私は経費の概要を求めましたが数字が一人歩きする事を懸念して発言はありませんでした。無責任に示せない、財源ありきでは意見を求めにくい、という理由はそれもあるかなとは思いますが、来年度実施計画を立てるという段階で概算も出さないとはいかがなものでしょうか。
経費がかかっても地下駐車場を選択するのか、幼保一体型施設やスポーツ施設を充実させるのか、ここには区民も一方的に要望するのではなく、選択と決定にも関わるという市民自治が存在します。
8000㎡の敷地に仮に2000㎡4階建てとして、50万円/㎡と見て40億円。少し乱暴ですがこういった概算の説明はできるのではないか。五反田文化センターでも当初予算より随分と種種選択する中で財源が変更されています。案の段階の概算に納得しないという人はいないでしょう。
横道にそれましたが、もう一つの変更箇所は体育館です。既存か建て替えかは懸案であったといいます。現在の利用者への配慮、築25年では建替えはもったいない、一方既存施設を使うと全体設計に制限があるのも事実。25年後に建替えの検討も必要ならば、この機会に設計しやすい案を提案したということです。
委員会ではほかに荏原文化センターが近くにあるのに必要か、両者の長期的展望を合わせて検討すべきではないか。スポーツ愛好者は慢性的な施設不足を抱えているので、スポーツ室は複数団体が利用できるようなコート数が欲しい。旧荏原二中の近隣住民に理解が得られるような十分な対話。業務委託なのか指定管理者なのかという管理体制のこともだされたました。
前広場・公開空地は都市公園と一体的に整備する方針ですが、子どもによる基本構想記念公園の予定地がまだ見つかっていません。この場所も候補になるのではと私は思っています。
税金を投入して作る施設です。いろいろなアイデアと市民の英知を集めて、将来に誇れる施設にしましょう。まちづくりの興味と関心は案外こんなところから生まれます。決まっていそうで決まっていない利用計画。パブリックコメントの締め切りは12月19日(金)です。(井上八重子)
写真:夕暮れ時に代々木体育館から眺めた東京の紅葉