2008年決算特別委員会 報告その3

障がい児の放課後サポート支援の充実を求めました

  文科省と厚労省は放課後子どもプラン事業を共同で進めていますが、品川区もすまいるスクールや児童館事業で子どもの居場所づくりに取り組んでいます。でもここから障がい児の放課後支援が抜け落ちています。

2002年にNPOぴゅあさぽーとが障がい児の放課後預かり「やんちゃっこ」をスタートしましたが、今年4月より障害者自立支援法の児童デイサービスに移行したので放課後の居場所がなくなってしまいました。「やんちゃっこ」の替わりに、品川区が福栄会に事業を委託して「ナイスデイサポート」を始めたので障がい児を抱える親にとっては朗報です。しかし受け入れに大きな制限があり、誰でも利用できるわけではありません。今後の利用者要件の拡大を求めました。

東品川の「やんちゃっこ」に対して05年に荏原地域にもNPOどりいみんぐが行う「にじのひろば」が開所されました。「にじのひろば」は東京都のタイムケア事業という補助金で始めたものですが、06年に補助が廃止になってしまいました。しかし品川区は障がい児の放課後サポートの必要性を認め、都の補助金がなくなっても区がお金を出して事業を継続していることは評価しています。

「にじのひろば」は荏原ほっとサロン(荏原4丁目)の2階にあるのですが、身体障がい児の利用も多く、本人もスタッフも階段を上り下りするのが大変です。バリアフリー対策とトイレ改修の要望が出ていますが予算がつかないので対策は進んでいません。

しかしながら利用者数は初年度の05年の464人に比べ07年は2273人と5倍に伸びています。ところが委託料は都の補助事業のときと同じ225万円から増えていません。特に配慮のいる子どもたちの安全を確保するためにはたくさんのスタッフが必要でしょう。当然人件費は運営費の大半を占めることになっているのではと想像がつきます。

区がこの事業を行うとしたら一体いくら経費がかかるのか。適正な事業評価基準の基に、事業経費を支出すべきと要望しました。「区としてはNPOへはいろいろな形で支援をしている」という答弁を繰り返すだけでしたが、同じ事業でも福祉法人の福栄会が行う「ナイスデイサポート」には委託費用が約700万円支出されています。安易な下請けにならないNPOへの支援・委託事業の考え方が今後の課題であることがはっきりしました。(井上八重子)