またこの間、生活者ネットは子どもの教育環境を考えるのには地域や当事者を巻き込んで開かれた議論を進めることを求めてきましたが、学事制度審議会は非公開で、教育委員会事務局が委員を指名して構成されています。外から学校を見ている方々が多く、今学校に通っている保護者が係ることが必要だったと思います。
さて意見交換では、いろいろな意見が出されました。
●学校というのは成長の大切な通過点で通り過ぎると情報が極端に減るのは避けられないので、現在通学中の児童・生徒・保護者の声が反映できるしくみが必要。●審議会の議論の経過が見えないので内容についてわからないことが多い。特に資料の「入学予定者数と可能教室数」の表は区民に何を知らせようとしているのかさっぱりわからない。●小中一貫一体型の学校を6校建てることが前提で、小学校の通学区域を4ブロックから6ブロックへという誘導が見られる。●小中一体型の学校だけが小中一貫教育を実施していると思っていた。●小中一貫校の学校編成や通学区域の自由化に賛成している人がどのくらいいるのか疑問。●来年小学校入学という保護者からは善し悪しは別にして、学校見学の時点でお金をかけた施設と豊富な人材のある小中一貫校は他校と比べて人気があるのは当然。他の単独学校も一貫校と同じように施設と人材が揃うのならば特に一貫校ということではないのではないか。などたくさんありました。
審議会に望みたいことは、品川区のこの新しい施策に対するメリットだけを示すのではなくデメリットも明らかにし区民に意見を求めてほしいということです。
このまま10月に最終答申が出されるのであれば、区の施策に審議会がお墨付きを与え、小中一体型の6校はなんとしても建設をし、人口が増えそうにない荏原地域の学校は粛々と統廃合してくという道筋が予想されます。
この答申は今後の長期計画にも影響を与えるものです。学校の配置は教育問題だけはなく地域防災の拠点でもあり区民全体で考えていく課題です。教育委員会は答申を受けて、地域とどのように議論をしていくのかが、とても大切になっていきます。市民との協働を掛け声に終わらせない積極的な取り組を求めます。
パブリックコメントが行政のアリバイ工作化しつつあることがつい最近の新聞で指摘されていた。区の要綱で「最低でも14日は保障する」という最低の期限では区民の声を聴こうという姿勢は見られない。(井上八重子)
写真上:第2回定例会後の大井町駅遊説(2008.7.8)
写真下:区が東京大学と共同調査している小中一貫校検証冊子(07.08)