なぜ?大阪の産廃が品川に Part2

処理施設建設断念から一転、動き出しそうです

 以前に私のホームページで大阪能勢町にある豊能美化センター(清掃工場)のダイオキシン汚染物が品川で処理されるかもしれないということをお知らせしました。
(初めて知るという方はバックナンバー『なぜ?大阪の産廃が品川に』をご覧ください。)あれからずいぶんと状況が変わってきました。
 
 7月19日に能勢町議会議員の八木修さんが上京された時に、八木さんを交えて八潮地域の方々と意見交換の場を持ちました。大阪能勢町でダイオキシン問題が起こった1998年から現在までの状況をお話していただき、品川ではなかなか知ることの出来ない現地の情報を得ることができました。
 
 地元大阪では、能勢町と豊能町の両町がダイオキシン汚染物を処理するという基本方針(オンサイト)で、処理方法の検討、処理施設の建設地の選考を6年間かけて行ってきました。しかし前にもお知らせしたように、施設組合と地元住民、議会での話し合いは思うように進んでいませんでした。そして3月には豊能町でのダイオキシン無害化処理施設の建設が地権者の反対で白紙撤回したことによって、品川に当分の間ダイオキシン汚染物を納めたドラム缶は運び込まれないだろうと思われていました。

 しかし清掃工場施設の土地所有者(原告)が施設組合(被告)に対して、土地の借地契約期限の2006年までに現状復帰で返すこととダイオキシン汚染という被害に対する補償についての裁判を起こしていたのですが、この裁判の和解勧告が6月23日に出されました。裁判所は原告、被告双方がダイオキシン汚染物を早急に処理するということを第一番に考えることが必要であるとしています。またこの中には「品川で処理」という文字まで入っています。どのような文書が出されたのか、誰の説明で裁判所がこのことを明記したのか疑問です。この品川で処理することには地元(品川)住民は了承していないし、処理を請け負ったクボタはシンシアとは契約を結んでいないという時点で裁判所が名指したのか事実関係を能勢町議会では説明を求めていくそうです。

 8月7日には能勢町の山内地区という原告の方々の住む地域が和解案に沿った協議をすることを総会で了承したので、20日に被告側から補償額や条件についての回答が提示されることになりました。8月30日には提示された条件で裁判の判決が出されるという状況になっています。
 
 豊能町にダイオキシン無害化処理施設をつくるという計画から一転、能勢町が負担するお金を豊能町が負担するのならば、処理施設を能勢町につくることもありえるといいます。つまりダイオキシン無害化処理施設が出来れば、大阪で無害化処理の困難なダイオキシン汚染物の一部が品川に運び込まれて処理されるということになります。

 大阪ではどんどん状況が進んでいますが、一方の地元住民である品川区民には何も知らされないままことが進もうとしています。品川住民の反対の声が能勢町にも豊能町にも届いていないといわれていますが、運搬上の安全対策や環境に与える影響など区民の不安に対する対策と情報の公開がされないままでは品川への持込みは認められないという動きが広がっています。