『憩いの森』・『街かどの森』という市民緑地

練馬区の取り組みを視察

 4月21日、練馬区が積極的に取り組んでいる市民緑地について、練馬区公園緑地課ヒアリングと市民緑地の現地視察に、生活者ネットワーク環境部会のメンバーと参加しました。

 市民緑地は土地所有者と区が市民緑地契約を結び、区が無償で土地を借り受け、管理し区民に開放する制度です。
対象となる土地は1000㎡以上を『憩いの森』300~1000㎡を『街かどの森』として、土地所有者と5年・20年の契約を結びます。契約の特典として固定資産税・都市計画税・地価税が非課税になります。練馬区では市民緑地の整備を区が委嘱した緑化協力員が行っています。緑化協力員は任期2年、今年で14期を迎え、募集定員100人のところを220人もの応募があるそうです。緑や地域に関心のある方が多いということですね。最初の『憩いの森』のスタートは1975年です。都市緑地保全法に基づいて全国で105箇所の市民緑地があるそうですが、なんとそのうちの52箇所が練馬区のものです。

 説明の後、レンタサイクル(※)で近くの憩いの森と街かどの森を見に行きました。憩いの森では大きな樹木がそのまま残り、清掃時に出た枝や選定せざるをえなかった木々がチップとして敷かれていました。ここが本当に23区なのというくらい高木に囲まれた落ち着いた場所でした。(※)練馬区には〈ねりまタウンサイクル〉が6駅7か所設置されており一日200円で借りられます。練馬駅前のレンタサイクルは400台近く自転車が保有されていて高校生などが通学によく使っているそうです。

先祖代々の土地を残したいという方の意思で成り立っている制度ですが、相続が発生したときの契約解除など新たな課題も出てきています。そのために(仮称)みどりを育む機構・基金設立検討委員会で、基金でみどりを残していくしくみづくりの検討が始まっています。

 品川区でも残したいみどりが再開発や遺産相続で徐々になくなっています。品川区内では300㎡以上という土地がそんなにないと思いますよという職員の声が聞こえそうですが、練馬区のような先進事例を参考に、独自の工夫でみどりを残す努力が必要だと思います。一度なくしたみどりの回復は非常に時間とコストがかかります。まずは今ある緑の保全から考えたいですね。
皆さんのアイデアお寄せください。