福島県双葉町の前町長井戸川克隆さんは原発の安全神話は信じていなかった

3月8日(土)東京・生活者ネットワーク第19回大会に出席した後、井戸川克隆さんのお話を聴きに、大森に向かいました。

主催は放射能健康診断署名南部実行委員会です。

福島第一原子力発電所事故は現在も収束しておらず、放射能拡散による被ばく被害は、福島県における小児甲状腺がんなど深刻な事態を生み出しています。

希望する人を対象に国及び東京電力の責任で無料の放射能健康診断と医療保障を受けることのできる公的制度を実現するために発足したのが「放射能健康診断100万人署名運動全国実行委員会」でその実行委員長は井戸川さんです。

原発の安全性に疑問を持つ井戸川さんだからこそ、福島県の首長の中でただ一人町民の県外避難を実現させられたのだと確信しました。福島に愛着を持つ町民にとって「埼玉」はやはり異国の地と感じた高齢者が多く、全町民の避難ができなかったことを悔やんでおられました。被ばく被害だけは何とか避けたかったという切実な思いが伝わりました。

また避難所で批判され続けたお弁当はノロウイルスなどの食中毒が出たら取り返しがつかないという、徹底した危機管理故でした。町民の命を守りたいと頑固に国と戦った井戸川さんが議会から不信任を突きつけられたその時のお話も伺いましたが理不尽としか言いようがありませんでした。

一民間企業である東電が、憲法に保障される22条居住地の選択の自由、29条財産権の侵害に違反しておきながら責任を取っていないということを国民は真剣に問わなければならないと改めて思いました。そして国民の血税が安易に民間企業につぎ込まれることは許してはならにことです。もうすぐ3月11日を迎えます。

                                 (その2につづく)