子ども子育て支援制度の説明会に集まった乳児連れ保護者のもやもや感が伝わって来ます。
スクエア荏原には産休・育休中と思われる乳幼児連れのママたちが集まりました。
12月の認可保育園申し込みで、来年4月に認可保育園に入ることができるか?制度の変更で自分はどこに振り分けられるのか?とさまざまな思いを抱えての参加であることが周りの会話で知ることできます。
9月22日(月)14時から15時半までスクエア荏原のイベントホールで来年4月からスタートする子ども子育て支援制度の区民向け説明会が区保育課主催で行われました。定員は120名で、前の方は空いた椅子も見られましたが、後ろの方では20席ほど椅子を増やしたと聞きましたからおおよそ定員数に達していたでしょう。
職員がおおよその制度説明をした後で質疑応答。
まずこの制度で一番変わるのが、介護保険のように1号、2号、3号の認定を受けることです。1号は満3歳以上の小学校就学前の子ども(現行幼稚園入園の子ども)2号は3歳以上の小学校就学前の子ども(同保育園に通っていた子ども)3号は0~2歳で保護者の就労などで保育を必要とする子ども。
ということで今まで保育園に通っていた年代の子どもが、新制度では年齢で2号と3号になります。新制度移行を行わない私立幼稚園などへの入園には認定は必要ありません。ここら辺がまた混乱の原因になります。
保育園入園申し込みと一緒に認定の申し込みが必要となりますが、認定を受けたからといって入園が保証されるしくみではありません。なぜ認定を必要とするのか、説明会では十分な説明はありませんでした。入園不承諾で待機児になってしまうのかと不安に思う保護者が安心して子育てと仕事を両立できる制度にはなっていません。
この制度のメリットは何ですかという質問もありましたが、就労が先か保育園入所が先かという議論はしなくて良いということでしょう。認定により行政はニーズ量が把握できますので、具体的な供給対策を取らなければならないことはメリットです。
認可保育園待ちで、認証保育園や保育ママを一時的に活用している場合は現行通り調整がされます。そして認証保育園の保育料助成も現行通り行うことが説明されました。あまり急激な変更をしないという方針で区も対応します。保育料については国が定める保育料に合わせて幾分増額を検討するような口ぶりでした。男性の働き方も非正規化が進み夫婦共働きでも保育料が生活の負担になっている家庭もあるでしょう。シングルであらばなおさらです。経済的に余裕のない家庭では子どもの生育にも影響を与えています。子育てを社会が応援できる適正な応能のしくみが求められます。
品川区の担当課は国の財源も制度の指針もない中で苦労していることがよくわかります。しかし現実的に、12月1日に『保育のしおり』が公開され、保護者は12月26日までに保育入園手続きをすることが迫られています。定刻に終了した説明会会場には保護者の声なきストレス感が漂っていると私には感じられました。 (井上八重子)