住宅モデルルームを見てきました

高齢者・障がい者にやさしいモデルルーム

 2ヶ月前、義母が脊椎圧迫骨折で入院しました。治療、リハビリ中ですがまだまだ歩行が困難なので、しばらくの間、老人保健施設に入所し、リハビリをすることにしました。退所後、在宅での生活が送りやすくなるように自宅の改修を考えているところです。そこで医療福祉を目指す娘とともに住宅モデルルームの見学に行きました。

品川区は1993年7月に、介護の必要な高齢者や障がい者にやさしい住宅のモデルルームを東品川3丁目総合福祉施設の福栄会隣に建てました。今年7月には10年ぶりにリニューアルし、新しい福祉用具が揃えられキッチンも新しくなりました。

モデルルームの見学をお願いすると、受付の方は熱心に説明をしてくれました。私はトイレとお風呂の改修を考えていたので、そこを中心に説明を受けました。トイレのドアは車椅子でも開けやすいように引き戸にするとか、手洗い用のシンクをつくるのなら丸型よりも四角い方が滑りにくいことなど細かなアドバイスもありました。また福祉用具の使用を体験し、ちょっとした工夫で使いやすさがだいぶ違うということも知りました。例えば、椅子から立ち上がる時に使う杖は、片手用よりは両手で使える工夫がされた杖の方が、とても楽に立ち上がれました。他にも立ち上がりが楽にできるように肘掛の先端部分が狭く、握りやすくした椅子がありました。歩行器も身体に負担のかからないよう工夫され使いやすいものがありました。これは外国製です。基本的に外国で作られるものは使う人の立場で作られ、利用者が自由に外に出る、自立をするという考え方でつくられているとのことでした。
福祉用具を使う時は介護保険でレンタルと給付(同一年度10万円限度)が利用できます。住宅改修は20万円を限度に1回だけ給付が受けられます。

工務店では建築士が介護保険の住宅改修の研修を受けますが、それだけではやはり不十分だそうです。ケアマネジャーや理学・作業療法士など自立を支援するプロが、在宅での生活に必要な用具や住宅改修の処方箋をつくり、お互いの専門性を生かして工務店とケアマネジャーが協力していかないと住宅改修は難しいと話されていました。

この10年間で15,251人がこのモデルルームを訪れていますが、決して十分な利用者数とはいえません。若い方も将来、住宅設計をするのに改修がしやすい家づくりの参考になると思います。