精神に障害をかかえて地域でくらすには その①

品川ふくしネット研修会に参加して

 9月6日土曜日の午後、中小企業センターでNPO品川ふくしネットの第4回研修会がありました。16人が参加をし『精神に障害をかかえて地域でくらすには』というテーマで学習をしました。ふくしネットは品川区内で、高齢者デイサービスや障がい者のケアをしているNPO、障がいを持つ子どもの父母の会、知的障がい者のグループホームを運営しているNPO、知的障がい児の自立支援や付き添いサービスをしているNPO、個人がともに情報を交換しながら学習の場を持つ集まりです。品川・生活者ネットワークの福祉部会も参加しています。
 KaKo精神保健福祉相談室の新牧和子さんは実際に相談にのっている事例を交えて話をされました。発病時期は青年期になってのケースが多いこと。症状は人それぞれ異なり決して同じではないことを改めて知りました。たとえば調子が悪くなるとと付けが出来なくなってしまう人に、周りが片付けを勝手にしてはいけません。それは彼のこだわりが非常に強く周りが片付けることで、かえって症状を悪化させてしまうのです。新牧さんは「心にできたかさぶたを無理に引き剥がすようなもの」と例えていました。
 松山クリニックの医師松山毅さんからは医学的にみた精神障がい者の方々の症状を学びました。世間では精神に障害を持つ方々のことを、心臓病や腎臓病などの内部疾患と同じように脳の機能に障害を持つ病気なのだということを理解していません。意思が脳に伝達され行動を起こす時に、脳機能の障害のために誤った行動をしてしまうことがあります。内部疾患でいうところのペースメーカーをつけたり、人工透析をしたりという直接的な治療法は精神障害ではまだできていないけれど、ほうっておかないで、専門医に診せ、快適な生活に近づけることが必要だと松山さんは訴えていました。
 品川区精神障害者家族会(かもめ会)会長の椎木清次郎さんから家族会の活動の様子と品川区の施設などの実状が報告されました。
統合失調症の発症頻度は約1%なのでおそよ3200人ほどの精神障がいの方が品川区ではいること、国に早く特効薬を研究し、開発して欲しい、大変副作用の強い薬なので、薬を飲ませることが非常に大変であること。家族が高齢になってしまい先が不安であることなど切実な思いを話されました。
                        その②につづく