障がい者就労支援施設を視察して

10月15日に八潮にある第一さつき園と第二さつき園、第二かもめ園を見学しました。この施設は社会福祉法人品川総合福祉センターが運営しています。今回は授産施設を中心に見させていただきましたが、さつきは身体障がい者の方たちの施設、かもめは知的障がい者の方の施設の名称です。余談ですが、福祉援護施設の中には更生施設とか授産施設と呼ばれる施設があります。更生施設という表現は非常に違和感があるので、呼び名を変えるべきだと思います。生活施設とか生活支援施設とかでもいいですよね。
 
さて第一さつき園の作業場では、七宝焼きや来年の干支の酉の置物、期間限定のクリスマスツリーの制作をしていました。緑のプラスチックのツリーは小さな部品を穴に差し込むもので、ここ数年注文があるものだそうです。

第二かもめ園ではシーツのクリーニングです。大きな洗濯機が3台と乾燥機そしてプレスきがあり本格的なものです。広げたシーツを二人でプレス機に乗せると自動的に送られ反対側では同じく、二人が手際よく四つ折にして完成です。園内や区内保育園で使用されています。

少し離れたところに第二さつき園はあります。車椅子利用の二人を含む身体障害の方が25人と知的障害の方が3人働いています。ここでは手縫いのステンシルペイントの布ふきん(イトウヨーカ堂内のテルベでは人気NO.1商品)と小型電球を2つづつパックにして箱詰めしていました。てきぱきと働いている方を私は電気店からの派遣の方かと伺ったら、知的障害の方だといわれ驚きました。7月30日におこなわれた「障がい者就労の未来を拓く全国大会」で聞いた、仕事は時間をかければ習得できるというお話を実感しました。

障がいのある方は、変化することにはパニックを起こしかねないけれども、同じことをじっくりやることで本当にプロフェッショナルになれるんだということを見せてもらいました。

視察を終えて気になったことが2つあります。
障がい者施設で行う仕事だからということで、契約料が安いのではないいかということです。施設の方は仕事がないことが利用者さんにとって一番怖いので、仕事があるだけで良しとしているといっていましたが。もうひとつは、一般雇用に向けての就労支援になっているのかということです。
私は一般雇用に向けての支援が授産施設で出来ることが望ましいと思っていますが、日中活動の場にとどまっているという印象を受けました。

 しかし社会性を身につけ、社会生活や一般就労が出来るように生活活動支援の取り組みを月2回始められているということも伺いました。
施設の中だけの努力ではなく、社会が受け入れ態勢を整えていかなければならないことも事実です。