12月5日(土)渋谷フォーラム・エイトで「八ッ場ダム住民訴訟スタート集会」が行われました。「八ッ場ダムは利根川治水に役立つか?」と題した大熊孝さん(新潟大学教授)の講演や専門家を交えた「治水、利水、地質~史上最悪のダムを総点検!」というパネルディスカッション、全国各地のダム反対運動の連帯アピールなどがありました。
八ッ場ダムの計画地は利根川水系の吾妻渓谷の上流にあります。なぜ1都5県(東京都、千葉県、群馬県、埼玉県、栃木県、茨城県)が一斉に住民訴訟をしたかというと大きく3つの理由があります。ひとつは利水、治水に効果がないことが明らかになっていることです。水需要の確保にダムを作りますが、現在は節水機器の普及や漏水防止が徹底し水余りの状態が続いています。二つ目はダム建設に多額の税金負担が強いられることです。昨年11月には事業費が当初の計画から2.2倍増額され4600億円に膨らみました。関連事業としてさらに事業費が加算され、起債に伴う返済を併せると8800億円にもなり最終的には総負担額は1兆円を超えることも予想されています。半分強が国税、半分弱は6都県の地方税と水道料金として徴収されます。必要性の乏しい事業に私たち国民が負担を強いられることになります。
もうひとつは八ッ場ダム基礎地盤は何層にも亀裂があるところで、透水性も高く岩盤はダム建設には不適切なものであるということが明らかになっています。また地滑りの危険性も指摘されています。50年ほど前の計画であり現在本体工事に取り掛かっていない不要なダムは、後世のためにもやめるべきです。
「ストップ!八ッ場ダム・住民訴訟スタート集会」に参加して、ダム建設にかかる多額な税金は今までダム建設計画に翻弄させられた地域住民の方々の生活再建のためにこそ使う方向で見直すべきだという思いをさらに強くしました。