障害者自立支援給付法案とは?

改革のグランドデザイン

 早いもので立春を迎え暦の上では春です。みな様のお宅では豆まきをしましたか。我が家では子どもも成人し、家族揃って豆まきなんてここ数年トンとご無沙汰です。

1月30日(日曜日)に城南肢体障害者の会が主催する障害者福祉施策『改革のグランドデザイン』の学習会に参加し勉強をしてきました。

 厚生労働省は昨年10月に社会保障審議会障害者部会に「今後の障がい福祉施策について(改革のグランドデザイン案)」を突如提示しました。
昨年の新聞紙上では2000年に始まった介護保険制度の5年後の見直しに向けて、障がい者の支援費制度を統合する案や介護保険料徴収の年齢引き下げなど紆余曲折の話題が連日報道されていました。支援費制度は2003年に始まったばかりというのにです。このような議論の背景には介護保険制度や支援費制度のそれぞれの財源不足が顕著で、経費抑制を図る必要に迫られているという状況がありました。統合や年齢引き下げは障がい者団体や自治体・財界の反対が強く2005年度の法改正には見送られました。

 しかし障害者福祉施策の抜本的な改革案として提示された『グランドデザイン』では障がい者の自立支援が非常に大きく変わることになります。学習会では具体的なポイントを「障がい者の生活と権利を守る全国協議会事務局長」の白沢さんに解説してもらいました。
 
 この改革案の大きなポイントは二つあり、福祉サービスの質が大きく変化することと費用負担が大きく変更されます。「障害者自立支援給付法案」(グランドデザイン)は2月の国会に介護保険制度改正案と一緒に上程される予定だといいます。しかしこの法案では大枠の方針が決まるだけで、実際の具体的な中身は明らかにされていません。

新たなサービスの体系で「介護給付」「訓練等給付」「地域生活支援事業」に区分され、介護給付と訓練等給付は1割の応益負担、地域生活支援事業の利用料は自治体が任意で決められることになっています。そのため法律が制定されれば地域生活支援事業については各自治体で利用料等は条例により決めていくことになります。品川区でも今までのサービス水準を確保するだけの予算確保がされていくのか見極めていく必要があります。

また利用料等の決め事が条例提案されれば議会での審議事項になりますが、品川区が要綱で対応しようとすれば、公にされることもなく、議員も発言する機会がありません。品川区は広く市民に情報を公開し条例で説明責任を果たしていくべきです。
 
 障害者自立支援給付法(仮称)では、具体的な中身が決まっていないのに、利用料の応益負担についてだけは検討され、今年の10月から導入予定になっています。さらに2005年度予算案には収入として計上されているといいますから驚きです。国の考えることは理解に苦しみます。