当日は参加が叶わなかったある先輩からは、「一人一人が自覚しなければこの地球は壊れてしまうだろう。色々な困ったこと、しっかり考えて暮らしたいと、私(82才)は思っている。戦前の様子を覚えている私は、今の様子に危機を感じる。ネットに集う皆の若さと正義に期待している」と、統一地方選に向けた活動のスタートに言葉を添えてくださった。そして、「自信を持って皆の声を反映し、活動されるよう」とも、書き添えられていた。
1期4年間、ネット議員の活動を担う間にも、日頃から「ひとこと提案」はがきに多くの提言をいただいた。そこには自ずと当事者の実情が表れていて、たとえば子育て世代、労働世代と思われる30代~40代が極端に少ない品川区の人口動態を象徴するようなニーズの掘り起こしにもつながった。
ネットの市民政治への期待と大きな宿題を抱えて、身の引き締まる思いというのはこういうことと、心しながら、朝の遊説に立っている。地方から議会を改革する提案や、市民が都市の成長を管理し決定するしくみ=まちづくり条例、自治体の憲法とも言える自治基本条例を市民参加でつくる提案などを訴えているが、通勤の足を止めてレポートを求めてくれるサラリーマン・ウーマンもいて、組織に縛られる選挙から政策で選ぶ自治型に少しずつ変わっているのだなあ、と手ごたえを感じる朝もある。
ところで、北品川3丁目に居住する私の足は、自転車と京浜急行の赤い電車。ネット議員の役割を担っている今は「自転車で行こう」とばかり、人力で品川のまちを走り回っているが、病院勤務(大田区)の頃は、毎日赤い電車に乗って通勤した。だから、このごろは、朝遊説で立ち寄らせてもらっている京急沿線の駅ということになる。季節を分ける節分を過ぎ、春を待ち望む頃。赤い電車が頭上に近づくのが視野に入るたびに、あれに乗ってどこか開けた場所に行き着きたい…そんな気持ちが頭を掠める。けれど、どこまで行っても戻ってくるところは、赤い電車が風景の中に納まっている、このまち。やっぱり、私は赤い電車が好き、そして品川のまちが好きなのだ。