先日は、荏原神社の境内に満開の寒緋桜を目にすることができた。区内で一番に開花することで知られるこの桜は、例年鮮やかな赤色の花を咲かせることからか、寒桜のうちでも、「寒緋桜」と命名されているらしい。正に緋色、日本の色だ。
東海七福神の1つに数えられるためか、巡拝で訪れる人たちも多いとみえ、そぞろ歩きの近隣の人たちと桜を中心にして会話がはずんでいる風景もほほえましい。
そういえば、京都は円山公園の枝垂桜を愛でたいと出かけたのは02年だったか……。あのときは、今年とはだいぶ様子が違って3月も末日であったのに春まだ浅く、開花には遠かったのを覚えている。確か御所の枝垂桜のうちの数本がほころび始めているばかりて、お花見気分とまでは行かず。以来、遠出はできなくて、夜桜の名所としてつとに知られる横浜は三渓園や、新宿御苑へ(八重桜の頃には、緑色の意匠も美しい里桜を目に留めたい)。千鳥ケ淵水上公園の桜のトンネルをくぐって、その足で山種美術館へ、というコースもお薦め。日本画の蒐集で知られる同館では、例年、このシーズンには桜に材をとった作品展示があり、私の楽しみの一つとなっている。
それにしても、今年の暖冬。雪景色をみないまま、なにやら春一番が吹き抜けた模様。あと、ひと月もすると桜前線の北上が気になるシーズンですね。
今年は、品川の桜をしっかり観察して、ネット発行の区内桜前線ブログに挑戦しようと思う。ご期待ください!
▲荏原神社境内に咲く寒緋桜 ▼大井7丁目の街角で見つけた寒桜