リターナブルびんはまだまだ健在

足元から出来る3R活動

  リターナブルびんを扱う戸部商事に行ってきました。

今月はノーレジ袋運動の活動が全国で展開しています。品川でも市民団体が10月19日(金)に大井町駅前のイトーヨーカ堂の協力を得て、レジ袋に対する意識調査アンケートと風呂敷包みの講習をセットで行う予定です(15時~16時半まで、東急線大井町駅側入り口付近)。
同様の活動に手を挙げているのは今のところ全国で54団体、一斉に行うアンケート集計が楽しみです。

レジ袋は石油資源でつくられていることは知っていますよね。一人で年間約300枚のレジ袋を消費しています。でもレジ袋1枚断るとCO2排出量(製造時&ごみ焼却時)を57gも削減することができます。マイバックを持参し、レジ袋を断ると1世帯年間約34kgのCO2が削減できます。(1世帯=平均2名)
マイバックの利用はひとり一人が地球温暖化防止に貢献します。日本の文化である『使いまわすこと』が失われて久しいですが、やっぱり見直したい文化ですね。

  さて、リサイクルへの関心が高まっていますので皆様も『リターナブルびん』をご存知と思います。ビール瓶や一升瓶、牛乳瓶など何回も使うリユースびんのことをいいます。びんの生産量は缶やペットに超されています。そしてびん生産量に含まれるリターナブルびんの量も1973年(S48)には70%ありましたが、現在は20%以下になっています。73年といえばオイルショックの年に重なり、省エネ政策はあったものの使い捨て社会がスタートし、流通が小売からスーパーへと代わっていった時代です。

酒屋で醤油や酒を買う→空き瓶を店に戻す。こんな時代から、仕事帰りにスーパーによる→容器は軽いものが喜ばれ→ごみになる。循環社会から一方向社会へと進んでいきました。

  このような社会背景はありますが、循環型社会にこだわる動きもまだまだ健在です。
今回訪れた戸部商事(足立区入谷)は生協とともにグリーンシステムという循環のしくみを実践しているところです。このグリーンシステムは空き瓶を回収し、洗びん後生産者に戻し、生産者は商品として再び消費者に届けるびんの再利用のしくみです。

10月11日に戸部商事の洗びんラインを見て来ました。45℃の1%苛性ソーダ液から60℃、75~80℃と温度を上げながら2.5%の濃度まで引き上げ、今度は温水で洗浄しながら60℃から常温へと戻していきます。ラベルが残る事はないかと聞くと、生産者に澱粉質の接着剤を使うようにお願いしているので最高温度のところできれいに取れているということでした。

残念なことに東京には戸部商事のほかにはリターナブルびんを扱っているところが1箇所しかないと聞き、改めてリユースビンの流通が少ないことを実感しました。

一方で使い捨て容器のリサイクルを自治体が多額の税金をかけて行っています。これは絶対にヘンです。本来は生産者がごみ、あるいは再生するコストをきちんと負担するのが当り前です。でもこれは、国で容器包装リサイクル法を市民の側の視点で改正するしか方法がありません。その働きかけは当然必要だけれど、一人ひとりの「私」が足元から出来る循環型社会!「使いまわし」をさっそく実行してみませんか。(井上八重子)

写真は同区議市川和子と私、ガラス洗びんライン、戸部商事の社長から話を聞く参加者