品川区のプラスチックリサイクルは区内15%の一部地域で行われていますが10月からは区内全域に拡大されます。
2008年のプラスチック容器のリサイクルは京浜島の『東海運輸』というところで中間処理をし、『君津プラスチック再商品化工場』で再商品化されます。
そこで5月19日(月)に君津製鉄所内にある君津プラスチック再商品化工場を視察してきました。
朝8時20分東京駅八重洲口にあるJRバス停から木更津行きに乗り、終点の君津製鉄所まで行きましたが木更津まで約65分と思ったより時間はかかりませんでした。
工場内の停留所から敷地内を数分歩いた建物の中の会議室で環境資源エネルギー部プラスチックリサイクルグループマネジャーの犬塚さんから説明を受けました。
犬塚さんが挨拶の後開口一番。「この施設で集まったプラスチックを燃やしているか?燃やしていないか?」と尋ね、とにかくここでは「プラスチックを燃やしていないこと」と「再生化率が100%である」ことを覚えて帰って欲しいといわれました。ビデオと説明でおっしゃる意味が分かりました。
このプラスチックリサイクル設備は特許をとっており、事前処理工程と600メートル離れた熱分解処理工程を行う2つの工場からできています。事前処理工程では中間処理されたベール(1m.×1m.250kg.)を破砕した後、異物を除去し5センチぐらいの円柱の造粒物をつくります。そして熱分解処理工程(コークス炉)に輸送された造粒物は石炭と一緒にコークス炉に投入されます。コークス炉は無酸素状態で密閉されており、1200℃まで過熱され蒸し焼きにされた状態で熱分解されます。だから焼却しているのではありません。
この行程から40%が炭化水素油、20%がコークス、40%がコークス炉ガス(主成分水素・メタン)として再利用されています。40%の炭化水素油は軽油質とタールに分けられ、化学工場へ再生品化の原料として売られています。
20%のコークスは君津製鉄所内で鉄鉱石の還元剤として利用し、40%のコークス炉ガスは熱料として製鉄所ないの発電所等で利用しています。ちなみに熱効率はサーマルリサイクルが10%といわれるのに対して40%だそうです。
製鉄所内での処理という部分で、処理とその後の再利用の関係がごちゃ混ぜになっていた私の理解が整理できました。どうせ燃やすんだから一緒だろうという方々にも説明ができます。処理も必要!でももっと大切な発生抑制を地域で考えていかなければと思います。(井上八重子)