行政の情報公開が一歩前進

  以前、区民の方が教育委員会の窓口で介助員制度の要綱を見せてほしいと求めたところ、出せませんと言われたということがありました。要綱は行政文書として公開されるものであることを誤解している職員がいるんだと驚きました。

行政文書として公開するもの、情報公開請求をしなければならないものなどの基準が周知されていないということでしょうか。
私も議員という立場になる前に情報公開請求をしたことがあります。担当部署に行ったら、まずは広報公聴課へと回され、広報公聴課ではいいえ直接担当課ですとうろうろさせられました。担当部署では情報公開請求??と言う顔をされ、書類が出てくるのに大変な時間がかかりました。さすがに最近はどこの課もそのようなことはないと思いますが。

さて情報公開が前進の話です。
行政の事業の多くは法律や条例を基に行われます。そして実際の事業の運用については目的や対象者や具体的な内容が明記された『要綱』が根拠となります。条例は自治体の法律ともいえるので制定や改廃は必ず議会の議決を必要とします。品川区のホームページに区長の顔の下のほうに例規集として載っています。しかし要綱は行政内部で区長や教育長、部長が決定・改正・廃止が出来ますので、えっいつ変更になったのということもあります。

また議員でも担当の部署でこの事業の要綱を出してくださいといわないと入手できません。そもそも税金を使って行う事業ですから、区民が知っていて当たり前の情報です。

生活者ネットワークは要綱も誰でも閲覧できるようにすべきという提案をしてきました。やっと品川区の要綱567件が事業課ごとに分類され議会事務局で閲覧できることになりました。昨年度から準備をしていたものですが思ったより時間がかかりました。その理由は公開を前提にしない行政の内部資料を公開できるように整理する必要があったようです。

まだこの改革は道半ばです。議員だけが閲覧できてもだめで、関心を持った市民は誰でも知ることが出来るようにするべきです。

今回公開する資料として整理できたことでホームページ上に載せることはそんなに大変なことではないでしょう。要綱が公式ホームページにUPされた自治体もあります。品川区にも今一歩の情報公開の意識改革を期待します。(井上八重)

写真はブラジルが原産地の単刺団扇(タンシウチワ)