映画「おくりびと」のロケ地は遊佐町だった

農業政策は大量消費の大都市東京に直結

 土曜日(1月31日)の午前中は生活者ネットワークの運動グループである生活クラブ生協が主催する山形県遊佐町のお米生産者との交流会に参加しました。当地の「ササオリジン」でにぎったおにぎりを試食しながらお話を伺いました。(今年は遊佐町に縁があるのかな。東京ネットの新春の集い(1/27)では遊佐町長の小野寺喜一郎さんの『自立した個性あるまちにー創る・喜ぶ・分かちあう』という講演を伺ったばかりです。)

遊佐町はアカデミー賞にノミネートが決定した映画「おくりびと」のロケ地だったんですって。たくさんの町民がエキストラで出たけれど、本編にはほとんど出ていなかったとか。(残念でしたね(>_<))

さて3人の生産者の方からは米作りを担う人が高齢化していること、面積に関係ない定額の国の補助金が農家にとって大きな問題であること、遊佐町の飼料米は平田牧場の豚の飼料だけに提供されているが、国が早く飼料米の流通のしくみを作らないと事故米同様、いつの間にか飼料米が食卓に上っていたという事態が起こりかねないと農水省の職員に訴えてきたことなど。足元の田圃から日本の食料政策まで広範囲で興味深い話が続きました。暗い話も多かったけど若者の農業従事者もパプリカ生産などを通して元気になってきたこと、蛍の時期に昨年はたくさん蛍が戻ってきて、孫の「ここは僕の宝物だね」という言葉におばあちゃんが「来年も米づくり頑張る宣言」をしたことなど明るい話も披露されました。

私が生活クラブ生協を気に入っている理由はつくる人と食べる人の顔が見える関係にあるからです。そしてそこには食を通してまちづくりを考える運動があります。
40周年を迎えた生活クラブ生協のキーワードは「奪わない食」です。日本の食料自給率はたったの40%。65億人の世界人口は2050年には92億人に達すると予想され、2007年の飢餓人口は前年度に比べ7500万人増えて9億2300万人に増加したという報告もあります。大半が途上国の人たちですから、日本はいつまでも他国から「奪う食」を続けてはならないし、将来的には食糧不足が問題になり、お金があっても買えない時代に直面することになるでしょう。

大量の食料を消費する大都市東京に住む私たちは食料自給率を上げることを真剣に考えないといけないと思うのです。生産者が抱える問題は「農地のある田舎のこと」ではなく、都会の消費者が抱える問題でもあることを一粒のお米から改めて認識しました。

午後は品川区医師会主催の第4回公開講座「新型インフルエンザがやってくる?パンデミック(大流行)に備える」を聴きに行きました。(井上八重子)

写真:当日の交流会で区議市川和子が地域協議会が行った川調査を報告。(地域協議会は品川・生活者ネットワーク、23区南生活クラブ生協、品川たすけいワーカーズたんぽぽ、ミニデイついたち会で構成)