お金は出すけど市民の自治にお任せ

テンミリオンハウスの響きがいいね

 昨年10月には7箇所目がオープン。「NPO法人ワーカーズコレクティブどんぐり」が8団体もの公募の中から選ばれたと聞いて、いつか視察に行きたいと思っていたところです。
品川・生活者ネットワークの福祉部会で武蔵野市のテンミリオンハウスを4月27日(月)に視察してきました。

  この事業は今までデイサービスを利用していた方の3割が武蔵野市の介護保険では対象外となってしまうので考え出されました。
モデル事業になったテンミリオンハウス第1号の「川路さんち」はリバースモーゲージという不動産を担保に福祉サービスを受けられる制度を利用していた川路さんから住宅を寄贈され実現しました。その後は市有の施設を活用したり、市民の方の情報で提供された建物もあります。テンミリオンハウスの物件募集も市報で行っています。

市が負担する財源も気になるところですが、住宅改修費は建物の状態で随分と差が出るもののおおよそ1000万円を見込んでいます。運営費はどのテンミリオンハウスも基本額650万円に利用人数や講座内容などいろいろなオプションを積み上げて算定して、上限1000万円までは支給されます。一般財源のほかに国や都の福祉包括補助金を活用しているといいます。

  さて視察をした「花時計」と「くるみの木」ですが、両者ともそれぞれ特徴があります。花時計は近所の小学校のお料理上手の保護者が集まって運営、2階建てを活かして1階では高齢者ミニデイと喫茶、2階は乳幼児親子の憩いの場です。「くるみの木」はNPO法人ワーカーズコレクティブが運営し、参加者が庭造りも出来る広い庭があり、高齢者ミ二デイと障がい児を預かるレスパイト事業も行います。どちらも地域に開かれた喫茶や昼食もありますから、地域の交流の場になっています。

  施設ではなく、普通の家ですから家庭的な雰囲気があり、ちょっとご近所に遊びに行ってくるわという気軽さが人気を呼んでいます。介護保険のデイサービスと一緒に利用している人もいるようで、地域の資源を柔軟に利用できるしくみが参考になりました。福祉部会では品川区内の施設の配置などの点検が必要というような意見が出されています。(井上八重子)

写真上:テンミリオンハウス「くるみの木」の前で
写真左:「花時計」の一日限定20食の野菜たっぷりの昼食(500円)
写真右:「くるみの木」の講座布ぞうりづくり、にぎやかでした