6歳の春を分けるな

インクルーシブ教育の実現に向けて連続院内集会vol.1

終了間近でしたが、障害者権利条約批准・インクルージョン教育推進ネットワーク事務局の民主党衆議院議員の石毛えい子さんも駆けつけました。
終了間近でしたが、障害者権利条約批准・インクルージョン教育推進ネットワーク事務局の民主党衆議院議員の石毛えい子さんも駆けつけました。
2006年12月国連で採択された障がい者権利条約はインクルーシブ教育を保障するよう定めています。日本政府はこの条約に‘07年9月に署名をしていますが批准はしていません。批准には原則分離の現行教育制度をインクルーシブな統合教育とする国内法整備が不可欠です。

民主党が‘09年4月に参議院に提出した「障がい者制度改革推進法案」では教育に関して「障がい者が障がい者以外の者とともに教育を受ける機会を確保することを基本とし、障がい者または保護者が希望するときには、特別支援学校または特別支援学級における教育を受けることができるようにするものとする」とかかれています。

先の国会で参議院は通過成立しましが、結果的には廃案になってしまいました。しかし民主党が政権与党となった今、この法律に大きな期待が寄せられています。

そこで11月12日参議院議員会館で行われたのがこの法改正を求める院内集会です。会場となった第1会議室は全国から集まった方たちでいっぱいでした。国会議員に実情を知ってほしいと集まった会でしたが、会場に来られた国会議員は民主党の5名。国会議員の方はお忙しかったのでしょう、御自分の挨拶が終わると帰ってしまいました。忙しかったら、政策秘書が聞いて議員に伝えるとか何とかできなかったのか!帰り際、参加者からは落胆する声が聴かれました。

インクルージョン教育は統合+合理的配慮+支援=社会の受け入れによる社会参加、一方、特別支援教育は統合なき特別支援=自己努力による社会参加であるという違いを、原則統合・連絡会議代表の大谷恭子弁護士は指摘しました。

支援が必要な子どもに合わせた支援の充実は、解釈を間違えるとどんどん分離教育につながっていくというお話でしたが、品川区の中でも介助員・学習支援員制度に思い当たる節があります。

地域で暮らすということは地域の学校で学ぶということから始まる。でもその地域の保育園や学校に“親が頑張らない”と通えない国。この国を変えるには法改正が必要です。

●立川市の横平明奈(よこひら・みいな)ちゃんは3歳の女の子。生後8ヶ月で脊髄性筋萎縮症の診断を受けましたが、現在は元気で自宅で暮らしています。共働きのご両親は、医師の「集団保育は可能」という意見書を提出して、市立保育園の入園を希望していますが受け入れられない現状を訴えました。
●大和市では学校給食をミキサーにかけて「流動食」にしてくれたら、嚥下障害のある障がい児もクラスの子と一緒に給食を食べられるのに、教育委員会がその配慮を認めないため、毎日お母さんがミキサー食を給食時に届けているという発言。

他にも普通学級で学んでいても、ここはあなたの来るところではないという圧力を日々感じていたという報告や地域の子どもと一緒に育ち学ぶことを許されない子どもたちの様子が北海道、千葉県、広島など、全国から報告されました。

障がい者権利条約は障がいのある子もない子も地域の普通学校に通い学ぶインクルーシブ教育が原則です。私も分けて特別支援を充実するのではなく、「分けないことが前提の特別支援教育の充実」という当事者の声を反映できるように力を尽くしたいと思います。(井上八重子)