区長は先の決算特別委員会で待機児解消の緊急対策に、保育園と隣接する小学校の空き教室を活用し、5歳児の保育を実施する方針を明らかにしました。保育園の5歳児クラスが移動すれば、そこで空いたスペースを乳児の待機児に振り当てられるというのです。
生活者ネットワークも新たな施設を作らなくても、学校などを活用した保育園の分園はあっても良いと考えていました。しかし保育園の5歳児だけを取り出すことは、子どもと保護者に与える影響を考えていかなければなりません。児童福祉に関わる方、保護者の方、どうぞご意見をお寄せください。
今定例会の一般質問で3人の議員が、関連した質問をしました。明らかになったことは、①待機児が増えた要因として考えられることは出産増、転入、不況で就労世帯が増えた(・・・自分が培ってきた能力を発揮し、経済的基盤を持ち子育てをしたいという女性の視点は行政にはありません。残念です。)②待機児解消だけではなく、小学校へのなめらかな接続、いわゆる小1プロブレムの対策にも有効と考えている③全校に空き教室の調査を行い、候補学校の絞込みを行っている(・・・おや区長は隣接する学校と言っていたが。)
さて現在開催中の議会に補正予算として、保育園使用の学校改修費用として6500万円の予算が計上されました。緊急対策ですので、今年度中に工事契約をして工事をすすめ、4月までに入園準備に取り掛かる予定ということなのでしょう。
しかしこの施策では5歳児をもつ保護者にとっては大きな変化をもたらします。保護者の意見は事前に聞く必要がありますが、保護者の意見はどのようなものなのか。保育園の中では異年齢クラスも一緒に保育することもありますが、5歳児を取り出すということは担任だけでは保育士は足りませんから保育者の体制をどうするのか。
早期教育が隠れていないか。品川区は5年後には子どもが減少し、保育園は空きが出ると予測しているようですが、その時には現状に戻すのか。
さまざまな議論があってよいし、充分議論を尽くす必要があります。いつものことですが、品川区はどうして性急にことを進めようとするのでしょうか。市民の意見は聞かなくともお任せくださいと、行政にすべての決定権があると思っているのでしょうか。
大事なことを市民が決める自治体のルールづくりがやっぱり必要だと思います。
この間の行政内部の議論をしっかりと、月曜日(11月30日)の文教委員会で質して行きたいと思います。時間があったら是非傍聴してください。委員会は10時より始まります。(井上八重子)