選管委員の選挙にガラガラポン初登場

 品川区議会第三回定例議会が10月21日より始まり、二日目の22日に選挙管理委員の任期切れに伴い選挙が行われました。
選挙管理委員会は選挙が公平で明白に行われるよう監視するところ。そんな業務を行う委員選出が、非常に不透明に行われているのに驚きました。

実は私はこの選挙2回目になるのですが前回の4年前は、品川・生活者ネットワークは新人二人の会派だったために、慣例に添って粛々と選挙をしていました。しかし今回は2度目で、どうもヘンだなと感じていました。
①議会会派の推薦であること②被選挙人の名前が公表されないで個名を投票用紙に書くこと

地方自治法の選挙管理委員会の条文の第181条に選挙権を有するもので人格が高潔で、政治および選挙に関し公正で見識のある人の中から、議会において選挙すること。同条5項では委員または補充員それぞれ二入が同時に同一の政党その他の政治団体に属してはならないことが規定されています。要するに政党が選挙管理委員を推薦することができると解釈され、禁止事項が明記されているだけです。

②の被選挙人の名前がわからないのになぜ記名投票できるのか。それは委員の任期切れ間近の議会前に大会派を中心に水面下での調整が行われているからです。議員40票中有効投票が3票で、得票数上位4名が選管委員に決定します。4年前の選挙では、自民、公明、民主、共産の各会派より推薦された方が委員になっています。

さて今回の選挙では前代未聞のガラガラポンが登場しました。
小さな会派は門外ですが、混乱なく1回の選挙で4人が決まる台本にはなっていたようです。ところが読み上げられた5人の候補の内、下位2名の方が6票で同数になってしまいました。

議場騒然!!どうすんのとみんなが思った瞬間、議長は議会の暫時休憩を宣言。区長をはじめ、行政職員はまた時間かかりそうだなぁという諦めの顔でした。ネットは蚊帳の外ですが、水面下での調整が始まることは必至です。
ちなみに上位3名はすべて元議員です。自民党の林和也さん、公明党の辻幸雄さん、民主党の飛田徹夫さん。

1時間ほどたって議会運営委員会の後に議会が開会され、くじ引きで決めることが宣言されました。一体だれがくじ引くの??お気の毒な役割は議会事務局長でした。

白い玉に2人の名前が書いてあることを立会人が確認して抽選回転機に入れられ、歳末抽選くじよろしく局長がくるくるとハンドルを廻し、コロンと玉が落ちました。
議長の宣言に共産党会派から声が上がりました。

行政職員に聞いたら抽選回転機の登場は初めてだそうです。使われなくとも選挙管理委員会ではちゃんと用意してあることがすごい。
東京新聞(9月29日)「23区議OB選管委員へ“天下り”引退後の食いぶち?」この記事に指摘されているようなことを体現したような気がします。

改善すべきところを議会が発信していかなければ、議会への信頼も政治不信もなくならない。
市民の感覚で政治を変えていかなければと強く思います。(井上八重子)