6月中旬から放射線量の測定を開始します

3月11日に発生した東日本大震災に続く福島原発事故による被害の深刻さには目を覆うばかりです。東京でも平時より高い値の放射線量が検出されています。3月23日には金町浄水場からも放射性ヨウ素が検出され、小さな子どもを持つ保護者からは不安の声が生活者ネットにも寄せられていました。子ども達が日ごろ生活の場として使う公園や学校で、放射線のホットスポットがないか不安なので放射線量を測定して公表してほしいという要望が寄せられるようにもなりました。
生活者ネットでは保健所、広報公聴課、教育委員会など関係する部署に区民の声をどのように把握しているのかヒアリングも行い、環境課へは放射線量の測定の働きかけも行いました。

区民の方からの相談に対しても、区のホームページから区長に直接、心配な思いを届けることができることも伝えました。区民の不安な想いと行動が区を動かし、放射線量の測定を6月中旬から行うことになりました。

区は補正予算で一台60万円のガイガカウンターを2台購入する予定ですが、現在品薄で3ヵ月後にしか納入されません。しかしプール指導も始まる時期となり早急に対応が必要と判断した区は、測定を専門事業者に委託をして、大気、土壌、プール水について行うこととなりました。測定箇所が少ないのは気になりますが、区の対応には一定の評価ができます。今後の結果を見て測定場所や数の見直しが必要であれば積極的に働き掛けていきます。

一方福島の子ども達の健康被害が気になるところです。文科省は子どもの基準を20ミリシーベルトと今までの1ミリシーベルトから一気に変更しました。この年間20ミリシーベルトという値は18歳以上の労働者の被爆量の上限です。大人の上限を子どもに置き換えて安全基準であるというのは、乱暴極まりない言い分です。子どもの方が大人より放射性物質の感受性が高いことも、内部被爆も考慮していません。

福島の保護者や教職員から一斉に反発の声が上がるのも当然です。5月23日には子どもたちを放射能から守る福島ネットワークの皆さんが文科省に対して子ども20ミリシーベルト基準の撤回と、被ばく低減策を講じるよう要請行動を行っています。

品川・生活者ネットワークはこの想いに共感します。そして子どもの健康を守るために一緒に国に向けて声をあげて行きたいと思っています。品川区議会から意見書提出ができないか今模索中です。区議会会派の賛同がいただけるよう努力します。(井上八重子)