京都ジョブパークを視察しました②
卵が先かニワトリが先かを安心に変える「安心ゆりかごサポート」
ジョブパークには「マザーズジョブカフェ」という、ひとり親、特に母子家庭の子育て・就労支援を行う施設が男女共同参画センターの中にあります。当事者である女性の側から物事が見られているため、その支援策はとても魅力的でした。同じフロワーにワーク・ライフ・バランスセンターも併設されているので、就労支援とワークライフバランスの連携が取りやすくなっています。
魅力的な具体策は、保育士が常駐する子どもの遊び場や授乳室です。子育て中だったら子連れは当然ですが、その設備さえないところが多いです。さらに相談当日、面接というケースには、着替え用のスーツや靴も提供されるというから驚きです。
『面接時や就職後すぐに保育園に入れない場合など、安心につながる』と利用者の評価が高いという支援策が「安心ゆりかごサポート」です。
多くの子育て中の女性が直面しているのが、保育園が決まらなければ就職活動ができない、内定しても預ける保育園が決まらないと働けないという問題です。同サポート制度は預け先がなければ、就職活動中や就職決定後にマザーズジョブカフェで一時保育がしてもらえます。就活中は無料で、就業中は1日2100円と有料ですが、最長1年間利用可能です。
マザーズカフェ内で子育て情報誌をつくっているNPOによって、就業に欠かせない保育園の情報や相談が提供されているので1年間もこの制度を利用する人はいません。
支援内容が行政の発想とは思えない柔軟さが参考になります。相談・面接・雇用とワンストップサービスが実践されているこの視察は私にとって大変有意義なものでした。今後の提案に活かしていきます。(井上八重子)