事業の良し悪しは、利用者が一番知っている~スクラップ&ビルドは市民主体で~

肢体不自由児者父母の会の新年会に伺いました。国・都・区の超党派の議員が参加をし、当事者の方のおかれている生き辛さに耳を傾けていました。 

胃ろうの措置を進められて、断ると食事に時間がかかるので、家族に手伝うよう求められる。家族の介護ができなくなってヘルパーを探すときに、障がい者の特性から本人で希望するヘルパーが求められるが、現物支給の現制度ではそれができない。ちなみに札幌市ではパーソナルアシスタントという制度で現金支給で本人が希望するヘルパーの支援がある。できないことではない。 

特別支援学校の親御さんからは、子どもが部活で国体のオープン競技参加に向けてハンドサッカーに力を入れているという、明るい話もありました。 

生き辛さは、障がいにかかわらず現代社会に生きている人たちがみんな抱えています。構造的な環境・社会を変えることで改善できることはあるので、私は議員という立場で行政の施策が『サービスの利用者にとって生きるために役に立っているのか』という視点で、満足度の結果をフィードバックしてリフォームするという作業に力を尽くしたいと思いました。 

前日の2月1日の午後、「いじめ問題を考える~評価・検証から制度提案へ」という会派学習会を子ども施策の研究者である東洋大学社会学部教授の森田明美先生を講師に行っています。

そこで言われたのが、品川区ではサービス利用者の視点で評価が行われているのか、見えてこないということでした。品川区は自治体としてそれなりの経済力を有しているので、施策は独自のものも含めて精力的に行われています。しかしそれが一方的になってはいないか?行政主導はスピード感はあるが、市民の目線に立ち戻って「評価」をしつつ、見直す分析力・政策力が欠けてはいないか。

 行政独自の評価はされていますが、そこにどれだけ市民・当事者の参加があるのか。着実に市民参加を実現していくためにも当事者の意見を今まで以上に聴くしくみが必要です。

(井上八重子)